1995 Fiscal Year Annual Research Report
経食道心エコー法による麻酔中の各種麻酔薬や体位が心循環系に及ぼす影響の検討
Project/Area Number |
07671690
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
豊田 茂芳 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10246423)
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Keywords | 経食道心エコー法 / 筋弛緩薬 / 心循環系 / パンクロニウム / ベクロニウム |
Research Abstract |
産婦人科及び整形外科の手術を予定された患者さん20名について、患者さん本人の承諾の上で、下記方法にて実施して以下の結果が得られました。 患者さんを無作為に2群に分け、麻酔導入はチアミラール(4mg/kg)、フェンタニール(4μg/kg)、サクシニールコリン(1mg/kg)で行い、維持はイソフルラン(0.5〜1%)、亜酸化窒素(50%)、酸素(50%)で行いました。導入後、経食道プローベを食道に挿入し、約10分後、コントロールとして、左室短軸像からFractional area change(FAC)を算出し、Mモードからは一回拍出量係数(SVI)、心係数(CI)、駆出率(EF)、内径短出率(FS)を計測しました。同時に心拍数(HR)、収縮期、拡張期、及び平均血圧(SAP, DAP, MAP)を測定しました。筋弛緩薬のパンクロニウム(PB)群は0.1mg/kg、ベクロニウム(VB)群は0.08mg/kgを投与し、投与後3、5、10分に同様の計測を行いました。 結果はPBは血圧、心拍数、心係数を増加させました。これはPBの迷走神経遮断作用によるものであると思われます。また、PBには軽度のβ作用があると言われていますが今回の研究ではFAC, EF, FS共に変化は認められませんでした。今回の研究は、臨床研究であるため、他の薬剤の影響でPBのβ作用が隠された可能性が考えられます。一方、VBは測定項目全てにおいて変化は認められず、心循環系に全く影響を与えませんでした。
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