ヒト前立腺肥大症および前立腺癌における肝細胞増殖因子とその受容体の発現

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07671712
• Research Category: Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
• Research Institution: 福井医科大学
• Principal Investigator: 森 啓高 福井医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (50262613)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 岡田 謙一郎 福井医科大学, 医学部, 教授 (60026838) ; 金丸 洋史 福井医科大学, 医学部, 助教授 (40262612)
• Keywords: 前立腺肥大症 / 前立腺癌 / 肝細胞増殖因子

Research Abstract

近年ヒト前立腺の発生、分化には増殖因子が深く関わっていることが明らかになってきた。また、増殖因子と前立腺疾患の関係も注目されている。肝細胞増殖因子(HGF)は肝細胞を含む様々な細胞に作用し、増殖促進のみならず分化にも関係している。また間質細胞により産生され上皮細胞に作用する特徴を持つことから、前立腺肥大症の発生に関与する可能性がある。
以上のことより、ヒト前立腺肥大症において、HGFおよびHGFレセプターであるc-metの発現をRT-PCRを用いてRNAレベルで検討した。開放手術にて得られた前立腺標本を凍結保存し、AGPC法にて得られたRNAからHGFおよびc-metのmRNAを見いだすことができた。正常前立腺および前立腺癌における検討はこれからであるが、すでに30検体以上からRNAを抽出しており、来年度にRT-PCRを行う準備が整った。また、ノザンプロットにて複数のmRNAが示唆されており、その解析もあわせて行う予定である。標本採取の際には凍結切片用のブロックもつくっており、HGFとc-metの局在についても検討する。また蛋白レベルについてはウェスタンブロットも行う予定である。