1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671734
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
管 政治 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (70234151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳴尾 精一 徳島大学, 医学部, 助手 (20237621)
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Keywords | CD44 / CD44 exon v10 / 腎細胞癌 / 膀胱癌 |
Research Abstract |
(1)CD44分子の量的、質的検討 1.腎細胞癌について 19人の腎細胞癌患者から手術時摘出した39標本(原発巣19、転移巣3、正常腎分17)とヒト腎細胞癌由来細胞株6株から抽出したRNAを用い、RT-PCR法にてCD44変異型発現を検討した。われわれの方法では標準型は482bpとして検出されるが、癌部では1kb以上の変異型を認めることは少なく1例(5.2%)であった。しかし、手術標本の14/17(82.4%)では正常組織と癌部での変異型発現パターンが異なり、手術標本の12/17(70.6%)、細胞株の4/6(66.7%)で約700bpのバンドが強調されていた。pBluescript IISK-にクローニングしシークエンスを施行したところ約700bpのバンドはexon v10のみを含むCD44の変異型であった。exon v10をプローブとしたRT-PCR-Southern blot分析においても癌部での強発現が確認された。Northern blot分析では癌部で2.6〜13.5倍のmRNAの発現を認めることから、腎癌細胞中exon v10を含んだCD44変異型の発現増加が示唆され、その役割の検討が必要である。 2.膀胱癌について 膀胱癌患者22人から得た手術切除標本33(膀胱癌22、正常粘膜11)とヒト膀胱癌由来7株から抽出したRNAを用いCD44の発現を検討した。RT-PCR-Southern blot分析において18/22(81.8%)の癌部で1,500bp以上の分子量の大きな変異型を認め、これは正常粘膜部の4/11(36.4%)に比べ有意に高頻度であった。また、細胞株においても3/7(42.9%)が分子量の大きな変異型を認めた。しかし、これら分子量の大きな変異型の発現と臨床病理学的所見との相関は見られなかった。 2.CD44発現とサイトカインの関連 GM-CSF、IL-6を産生する腎細胞癌症例においてCD44分子の強発現を認め、またこの症例においてはGM-CSFレセプターが存在することよりサイトカインを介したCD44の発現増強の可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 管 政治: "High-level Expression of the CD44 Variant Sharing Exon v10 in Renal Cancer" Jpn. J. Cancer Res.86. 847-853 (1995)
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[Publications] 管 政治: "Expression of CD44 Splice Variants in Bladder Cancer" Int. J. Urol.2. 295-301 (1995)
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[Publications] 管 政治: "A Case of Renal Cell Carcinoma producucing Granulocyte/Macrophage Colony-stimulating Factor" J. Urol.(in press).
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[Publications] 金山博臣: "腎細胞癌におけるCD44変異型の発現について" 日本臨床. 53. 1710-1715 (1995)