1995 Fiscal Year Annual Research Report
尿路感染症成立機序の解明(分子生物学的アプローチによる)
Project/Area Number |
07671735
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水之江 義充 九州大学, 医学部, 助手 (20157514)
|
Keywords | 腎盂腎炎 / 腎瘢痕 / 細菌線毛 / 活性酸素 / 線毛遺伝子 / アドヘジン / 白血球 / 貧食 |
Research Abstract |
遺伝子操作により大腸菌ふ及びセラチアの線毛遺伝子をクローニングした。毛線には、大別してMR線毛とMR線毛があるが、ラットの慢性腎盂腎炎モデルにおいて、MR線毛を有する菌が線毛をする菌に比べ有意に腎瘢痕を形成する事が判明した。その腎瘢痕は、スーパーオキサイドディスムターゼの投与により抑制された。このことより感染部位の白血球と、細胞がinterctし白血球にスーパーオキサイドを産生させ、それが組織破壊につながるものと考えられた。そこでln viroでMR線毛を有する菌とMR線毛を有する菌の白血球に対するスーパーオキサイド産生刺激を検討した。MR線毛を有する菌はMR線毛を有する菌に比し約2倍白血球のスーパーオキサイド産生を刺激する事が判明した。MR線毛の形成は、いくつかの遺伝子による遺伝子郡に支配されている。MR線毛は、magor Subuniといくつかのminor subumiより構成されている。minor subumltの内1つabhesin(定着素)は、赤血球の凝葉能を示す事が知られている。MR線毛のcletionmuttant作製し、線毛を有するが赤血球凝葉能を有しない、すなわちadhesin遺伝子を欠くmutantを発見した。このmutant線毛を有する菌でラット慢性腎感染実験を行うと、wild typeのMR線毛を有する菌に比べ腎瘢痕形成が有意に弱い事が判明した。この事よりMR線毛のadhesinが腎瘢痕形成に重要な役割を果たしていると考えられた。
|
Research Products
(1 results)