1995 Fiscal Year Annual Research Report
精子発生能不全精巣における精粗細胞cell kineticsの研究
Project/Area Number |
07671742
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
三熊 直人 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30190614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 誠次 札幌医科大学, 医学部, 助手
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Keywords | 精巣 / PCNA / Spermatogenesis / Apopposis |
Research Abstract |
平成2年から平成4年までの間に、当科において経験したoligozoospermia症例10例、non-obstructive azoospermia23例、controlとしてobstructive azoospermia7例の精巣標本を用いて検討した。第一にHE染色標本でSertoli細胞数および各成熟段階のgerm cell数を算定した。その結果、特発性男子不妊症では精祖細胞の減少あるいは精祖細胞後の精子発生能の低下が関与することが示唆された。特に、前者の一部では血中FSHが正常であり精祖細胞自身の増殖能の傷害が示唆された。第二に抗PCNAマウスモノクローナル抗体を用い、ABC法によりPCNA labeling indexを算定した。PCNA labeling indexは、control群では0.7-1.2%(n=6)であったが、特発性不妊症40例中6例では0.2-0.3%と極端に低下していた。 本研究では血中FSHが正常であるにもかかわらず、精祖細胞およびその後の精子細胞数が減少している症例の存在が明らかとなった。この結果は、精祖細胞自身の増殖能の低下が精子発性能不全の原因となる可能性を示唆すると考えられた。PCNA labeling indexは、精巣内の全細胞に対する染色細胞立を算定したものであるが、特発性不妊症例では15%と顕著な低下を示しており、この結果も精子細胞の分裂増殖能の異常を示唆する所見と考えられた。
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Research Products
(1 results)