1996 Fiscal Year Annual Research Report
腎保存の研究: ANP, Ca拮抗剤によるイヌ長期低温灌流および戻し自家移植の検討
Project/Area Number |
07671747
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Research Institution | NARA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
吉田 克法 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (50192422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡島 英五郎 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50075115)
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Keywords | 腎保存 / 低温灌流保存 / 腎Viability / イヌ / ANP / Ca拮抗剤 |
Research Abstract |
1)犬単離腎低温灌流保存における心房性Na利尿ペプチド(ANP)および塩酸バラパミルの影響 雄性雑種成犬の腎を摘出し、酸素供給低温灌流装置(ミネソタ式腎灌流装置MOX-100)に腎を装着し、酸素を供給しつつ3日間灌流した。灌流液別に1群: UW灌流液、2群: UW灌流液にANPを添加、3群: UW灌流液に塩酸バラパミルを添加の3群で比較した。灌流中の腎灌流圧は灌流6時間頃より3群および2群において低下傾向が認められ、腎灌流液流量も同様に増加傾向が認められ、塩酸バラパミルおよびANPは腎灌流中の腎血管抵抗抑制作用が示唆された。腎皮質のATP,ADPおよびAMPより判断される腎biabilityの変化についても腎灌流3日目では3群間に有意な差は認められなかった。 2)低温灌流腎自の家腎移植に対するANPおよび塩酸バラパミル投与の影響 低温灌流保存時間についてはUW灌流液のみで24時間、48時間および72時間後自家腎移植を施行したが、48時間および72時間低温灌流後自家腎移植はほとんど生着せず、24時間灌流が限界と判断した。24時間灌流保存後に自家移植直後より無投与群、ANP投与群および塩酸バラパミル投与群で14日間観察し、比較検討した。移植腎生着に関してはANP投与群が優れていたが、他の2群においては差は認めなかった。腎機能に関しては無投与群に比較し、ANP投与群および塩酸バラパミル投与群で早期の機能発現が認められた。 以上より、イヌ腎低温灌流保存および自家腎移植に対し、ANPの投与は腎機能発現において有用であることが示唆された。
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