1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671757
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松田 公志 関西医科大学, 医学部, 教授 (20192338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日浦 義仁 関西医科大学, 医学部, 助手 (20278633)
河 源 関西医科大学, 医学部, 助手 (10268344)
岡田 日佳 関西医科大学, 医学部, 助手 (90247908)
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Keywords | 精巣上体 / Na,K-ATPase |
Research Abstract |
平成7年度には、精巣上体上皮におけるナトリウムポンプ(Na,K-ATPase)の存在および局在を、健常ラットおよびヒトの組織について、頭部、体部、尾部の3ヶ所に分けavidinbiotin-complex法(ABC法)による免疫組織学的手法により観察検討し、いずれの種および部位においても、その管腔を形成する上皮の主細胞の基底側および側膜側に豊富にNa,K-ATPaseが存在することを確認した。平成8年度には、ホルモン環境の変化におけるラット精巣上体管上皮の変化、およびそれに伴うNa,K-ATPaseの分布局在の変化について、免疫組織学的およびウエスタンブロット法により観察、検討した。ホルモン環境変化モデル動物として薬剤的去勢ラットを作製した。光顕的には、精巣上体管腔内径の著名な縮小が、頭部から尾部まで全体的に認められたが、主細胞の組織学的変化は認められなかった。Na,K-ATPaseの反応は、部位的には輸出管に最も強く見られ、続いて体部、尾部に反応が見られ、局在としては、精巣上体管上皮主細胞の、側膜および基底膜に反応が見られたが、健常ラットとの間に反応の明らかな差は見られなかった。また、ウエスタンブロット法でも健常ラットとの間に、精巣上体各部位におけるタンパクあたりのNa,K-ATPase発現量に明らかな差は認められなかった。近年、報告されている去勢によるNa,K-ATPase活性の低下は、主細胞の絶対数の低下に伴うNa,K-ATPaseの数的減少によるものか、あるいは、アンドロゲン抑制が、直接的にNa,K-ATPaseの酵素活性を阻害するために生じるものと考えられる。
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