1995 Fiscal Year Annual Research Report
性感染症病原クラミジアトラコマチスの菌体表面突起の機能解析
Project/Area Number |
07671759
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
松本 明 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90027318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
別所 敞子 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10104811)
山田 作夫 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00122458)
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Keywords | Chlamydia trachomatis / Chlamydia psittaci / Chlamydia pneumoniae / 基本小体 / 表面突起 |
Research Abstract |
研究実績を以下にまとめる。 1 対象となるC. trachomatis (Ct)の多くは感染時に遠心吸着を要するため菌体の量産が困難であった。この問題の解決のため新たに樹立したL細胞浮遊培養とCt L2/434/Bu株の組み合わせでリットル単位で量産可能となった。これと平行してCt菌体同様に表面突起(sp)を有するC. psittaci Cal 10株(Cp)感染細胞を調整し、Ct、Cp両者の基本小体(EB)を精製、これから外膜・内膜複合体(occ)を調整し、電顕観察した結果、EB精製を簡略化して高純度occが得られることが判明した。 2 occにspが存在することを電顕的に確認後、Triton X 100、サイコシルにて処理、いずれも不溶画分と可溶画分に遠心分離したところ、spは内膜断片と共に可溶画分に移行したが、サイコシル処理による溶出がより効果的であった。可溶画分を蔗糖濃度勾配遠心によってsp-rich画分を得た。 3 spの多くは内膜と複合体を形成していることからエーテル処理を行ったところ、完全ではないものの、内膜の大部分をsp形態を保持したまま除去できることが判明した。 4 sp抽出各ステップの画分をポリアクリルアシド電気泳動(PAGE)で解析の結果、sp-rich画分にのみ約36 kDaバンドを認め、これがsp構成蛋白であることが強く示唆された。 5 分離spは、外径6nm、長さ30〜45nmの棒状、釘状を呈するが、sp軸部分が圧倒的に多く、これがPAGEでバンドを形成したものと思われる。 spは約20本/EBしか存在しないことが判明しており、その量的取り扱いは大量のEB(感染細胞 10リットル単位を要する)を要するが、従来法と異なり、occからの溶出にサルコシルを用いてもspの形態は存在されていること、エーテルによるリピド除去でもsp形態は保持されることから、sp分離に、より効果的な方法が見い出せた。 C. pneumoniaeにもspが存在することを見い出し、すでに論文発表した(研究発表覧に記載)。従ってヒト感染性クラミジア種全てにspが存在しており、spはクラミジア属全てに共通の機能を有することが示唆される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] N. Miyashita, et al.: "The morphology of Chlamydia pneumoniae" J. Medical Microbiology. 38. 418-425 (1993)
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[Publications] N. Miyashita, et al.: "Evaluation of the sensitivity and specificity of a ligase chain reaction test kit for the detection of Chlamydia trachomatis" J. Clinical Pathology. (in press).
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[Publications] S. Yamada, et al.: "An autolysin ring associated with cell-separation of Staphylococcus aureus" J. Bacteriology. (in press).