1996 Fiscal Year Annual Research Report
性感染症病原クラミジアトラコマチスの菌体表面突起の機能解析
Project/Area Number |
07671759
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Research Institution | KAWASAKI MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
松本 明 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90027318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
別所 敞子 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10104811)
山田 作夫 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00122458)
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Keywords | クラミジアトラコマチス / 表面突起 / 36KDaサブユニット / サルコシル抽出 / セアクリルゲル濾過 |
Research Abstract |
平成8年度研究実績を以下にまとめる。 1.表面突起はサルコシル処理により突起形態に影響なくEB外被から抽出可能であることが前年度の実験で判明したが、これがサルコシルによる内膜の可溶化によることが判った。サルコシルをAG11-A8カラムに通して除去後、セアクリルS-1000にてゲル濾過して突起を含む分画をPAGEにて検索したところ、30、32KDa位置にそれぞれ1本のマイナ-バンド、36KDa位置にメジャーバンドが銀染色によって検出された。電顕下の突起形態は釘状を呈し、主軸部が最も量的に多く、かつ主軸部は微小なサブユニットの円筒状集積によって形成されていることから、36KDa蛋白はこの主軸部構成蛋白であることが強く示唆された。15EA03:2.突起の抗原性と、それに対する抗体の感染性に対する影響をみるために、完全精製EB免疫家兎血清および、36KDa蛋白をセルローズ膜にブロットし、これで免疫した血清を比較検討したところ、前者はEB外膜によって吸収後も分離突起と反応し(微小免疫凝集反応)、EB感染性を低下させたが、後者は反応しなかった。この結果から突起は抗原性を有し、それに対する抗体は中和能をもっており、従って36KDa蛋白免疫血清の無反応性は免疫抗原として量的に十分でなかったことが示唆された。36KDa蛋白に対する特異抗体を作成し、その中和能および大腸菌組み替え体による突起遺伝子解析を進めたい。
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Research Products
(1 results)