1995 Fiscal Year Annual Research Report
均衡型相互転座染色体保因弾性の精子の分子細胞遺伝学的な検討
Project/Area Number |
07671788
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三春 範夫 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (30253082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 裕 広島大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | 精子 / Fluorescence in situ hybridization / 均衡型転座 / 染色体異常 |
Research Abstract |
45,XY,t(14q21q)の核型を持つ男性(RT carrier)から採取した精液を洗浄液スライドグラス上に固定し、dithiothreitolで前処理してfluorescence in situ hybridization(FISH)法に供した。FISH法では、DNAブローブは、digo×igenin標識の21q22領域のcosmid prove及び、biotin標識の17番染色体に特異的なα-satellte probeD17Z1(Oncor社)を用いたdual-color法で行い、総計9263個(RT carrier:6233、正常男性:3030)の精子について二人の検者による二重盲検法で、蛍光顕微鏡下にシグナルを判定した。 (結果)RT carrierにおいて染色体21番のシグナルを2、1、0個持った精子の頻度はそれぞれ1.49、96.5、1.72%、コントロール男性では0.26、99.4、0.17%で、RT carrierにおけるdisomy精子の頻度の方が有為に高値を示した。理論値の16.7%より明らかに低値を、また正常男性における頻度0.21%より高値を示した。また、染色体17番のdisomy精子およびdiploid精子の頻度は0.22%,0.28%でコントロール男性の0.21%,0.29%と同様の頻度を示した。(結論)以上より14q21qRobertson型転座男性の精子形成時の熟成分裂における分離が不均等に起こっている化膿しが示唆された。また、17番染色体においては、interchromosomal effectは存在しないと考えられた。今後は、さらに多数の症例について、また、多数の染色体について同様の検討を行う予定である。
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