1995 Fiscal Year Annual Research Report
癌悪液質に伴う代謝異常を改善するための血しょう浄化療法に関する研究
Project/Area Number |
07671814
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
石河 修 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (80137190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 謙一 大阪市立大学, 医学部, 助手 (40244644)
辰田 一郎 大阪市立大学, 医学部, 助手 (40207056)
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Keywords | 癌悪液質 / 筋肉 / 脂肪 / 血漿 / 血液灌流 / 癌貧血誘発物質 |
Research Abstract |
癌悪液質状態に認められる体重減少と血液灌流によるその抑制効果が家兎を用いた動物実験で見い出され、その機序を明らかにするため筋肉細胞および脂肪細胞において調べた。 筋肉細胞については、家兎の大腿部より採取した初代筋芽細胞を培養し、坦癌患者および坦癌家兎の血漿画分を添加して細胞増殖が低下する結果を得た。また坦癌家兎より採取した筋芽細胞は健常家兎より採取したものに比較して増殖能が低下しており、血液灌流をおこなった坦癌家兎の筋芽細胞はその増殖能が回復していた。 筋肉細胞のmRNA産生についても検討をおこなっており、myosinなどの構成タンパクの減少が血液灌流をおこなった坦癌家兎の筋肉で回復していないかを調べている。坦癌家兎の筋肉では、apoptosisが増加していることを示唆する所見も認められ、これについても検討している。 脂肪細胞については、マウス由来の脂肪産生能を有する3T3-L1細胞を用いて、坦癌患者および坦癌家兎の血漿画分を添加して細胞増殖、細胞内triglyceride産生、培養液へのglycerolの放出などに変化を及ぼす血漿画分を認めている。血液灌流をおこなった坦癌家兎の血漿画分についても調べている。 以上の様に坦癌患者または坦癌家兎の血漿画分には、筋肉細胞および脂肪細胞に影響を及ぼしてその機能を低下させる物質が含まれていると考えられ、血液灌流をおこなうことにより除去される可能性がある。本物質が、進行癌患者の赤血球脆弱化をひきおこしているAnemia-inducing substanceと同じものかについても調べている。
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