1995 Fiscal Year Annual Research Report
超未熟児・IUGRの臓器別未熟性の基礎的診断と胎外適応能の成熟促進の治療法の開発
Project/Area Number |
07671816
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
島本 郁子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (90075094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 滋 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30175351)
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Keywords | IUGR / 超未熟児 / 胎児発育 / 胎盤 / brush border / 胎児免疫 / 胎児腎 / 胎児腸管 |
Research Abstract |
常位胎児早期剥離(早剥)は母児共に予後不良となる疾患であり、産科臨床の中でその病因や病態の解明が望まれている。早剥に関連する因子として母体高血圧、妊娠中毒症、双胎、PROM、絨毛羊膜炎、喫煙、薬物中毒などが知られている。本要因の中で、妊娠中毒症、PROM、絨毛羊膜炎などでは免疫系が活性化されており、早剥と免疫系の関与が示唆される。最近、免疫系細胞のアポトーシス機構がFas/Fas ligandを介した系により引きおこされることが明らかとなった。早剥では臨床結果が極めて早く、かつ免疫系細胞との関与も考えられることにより、(1)早剥胎盤ではアポトーシスが関与しているのか(2)もしそうであればFas/Fas ligand系が関与しているのにつき検討を加えた。 今回早剥にアポトーシスが関与することが明らかとなったが、その機序としてFas/Fas ligandが関与していることが示唆された。またin vitroの感染モデルで絨毛細胞上のFas抗原の発現増強も認められた。感染時には脱落膜T細胞が活性化されてFas ligandを産生することも十分に考えられ、胎盤間質細胞からのFas ligandと協同的に作用し、S細胞のアポトーシスを引き起こしている可能性も考えられる。
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[Publications] 森山郁子(島本郁子): "胎児免疫" ペリネイタルケア. 15. 61-70 (1996)
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[Publications] 森山郁子(島本郁子): "糖尿病妊婦の妊娠前管理" 周産期医学. 26. 11-15 (1996)
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[Publications] 森山郁子(島本郁子): "近畿における母子救急医療の新しい展開を探る" 産婦人科の進歩. 47. 115-117 (1995)
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[Publications] 島本郁子: "子癇とHELLP症候群" 救急医学. 19. 913-916 (1995)
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[Publications] 森山郁子(島本郁子): "妊娠中毒症の母体管理-栄養指導と生活指導" 周産期医学. 25. 1605-1609 (1995)
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[Publications] 斎藤滋: "常位胎盤早期剥離例胎盤におけるアポトーシスの関与" 日本妊娠中毒症学会雑誌. 3. 98-99 (1995)
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[Publications] 森山郁子(島本郁子): "新生児栄養学テキストー胎児発育と主要栄養素-" 金原出版株式会社, 442 (1996)
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[Publications] 森山郁子(島本郁子): "今日の治療指針-妊娠とTORCH疾患-" 医学書院, 1435 (1996)