1995 Fiscal Year Annual Research Report
Paclitaxelのヒト卵巣癌培養細胞株にたいする効果発現の機序の検討
Project/Area Number |
07671817
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
吉崎 陽 岩手医科大学, 医学部, 講師 (40200969)
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Keywords | apoptosis / CDDP耐性 / ヒト卵巣癌培養細胞 / DNA fragmentation / bcl-2 oncoprotein / in situ labelling (TdT assay)法 |
Research Abstract |
1) paclitaxel 10^<-7>Mおよび10^<-6>Mは薬剤添加後24時間以降で濃度依存性にKFr13細胞の細胞増殖を抑制した。paclitaxel 10^<-8>Mの添加によりKFr13細胞はcontrol群とほぼ同様の増殖を示し、増殖抑制は認められなかった。KF1細胞の細胞増殖抑制は、KFr13細胞と同様にpaclitaxel 10^<-7>Mおよび10^<-6>Mにより薬剤添加後24時間より細胞増殖が抑制された。2) paclitaxel添加によるDNA histogramの経時的変化の解析では、顕著なG2+M期への集積と8C以上のいわゆるhyperploidy cellsの集積を認めた。paclitaxel添加によるKFr13細胞の各細胞周期別の経時的変化は、paclitaxel添加後12時間後よりG2+M期への集積が始まり、48時間後を最大として72時間後まで持続した。24時間後より観察された8Cを中心としたhyperploidy cellsは24時間後以降増加を続け72時間で最大となった。paclitaxel添加後24時間後に浮遊した細胞のhistogramは付着している細胞と比較してほぼ同様で、また浮遊細胞のviabilityは95%以上であった。3) Hoechst 33342染色による細胞核の形態の変化は、apoptosisに典型的なクロマチンの凝縮と核の断片化を示した。これはpaclitaxelの添加によって生じるmetaphase cellとは容易に鑑別することができた。paclitaxel添加後3, 6, 12および24時間で観察すると、paclitaxel 10^<-7>M, 10^<-6>Mおよび10^<-5>Mで12時間以降顕著なapoptosisを起した細胞の増加を認めた。4) paclitaxel 10^<-7>M, 10^<-6>Mおよび10^<-5>Mを添加した細胞群にDNA ladder観察が可能であったが、付着する細胞を別々に観察すると、特に培養液中に浮遊する細胞が明らかなDNA ladderを形成した。5) in situ labelling法による観察では、paclitaxel添加群にクロマチン凝縮、核断片化を示した細胞に陽性所見を認めた。6) bcl-2 oncoproteinに対するFITC標識monoclomal抗体を用いて検討すると、paclitaxel添加群で顕著なbcl-2 oncoproteinの発現を観察した。現在この意義について検討している。
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Research Products
(1 results)