1997 Fiscal Year Annual Research Report
子宮体癌、卵巣癌細胞におけるM-CSFおよびその受容体の発現調節と転移能について
Project/Area Number |
07671819
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Research Institution | Saitama Medical School |
Principal Investigator |
竹田 省 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (20143456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 章美 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (80226745)
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Keywords | 子宮体癌 / 卵巣癌 / M-CSF / c-fms |
Research Abstract |
子宮体癌細胞(石川細胞)株はM-CSFを分泌しており、M-CSF受容体(c-fms)も有していることを報告した。この細胞にc-fmsもしくはc-fms mutant geneをtransfectionしたものの増殖能を検討すると、1)c-fms geneをtransfectionし、M-CSF受容体を過剰発現させた細胞が最も発育速度が早かった。2)c-fms mutant gene(不活性型変異遺伝子:deltaKI,KA612)導入株が最も遅かった。3)point mutationしたc-fms809導入株はc-fms geneをtransfectionし、M-CSF受容体を過剰発現させた細胞株と増殖能は同じであった。4)v-fms導入株の増殖能は、c-fms geneのtransfection株と不活性型変異遺伝子導入株との中間であった。5)転移能も増殖能と同じ傾向を示した。 このことから石川細胞株は、M-CSF autocrineloopを持ち、増殖能、転移能はM-CSF受容体遺伝子c-fmsのKIおよびKA612の構造が重要と思われた。 またこの細胞において、6)TNF,LPSやFOSKOLIN,CHOLERATOXIN,8-brom-cAMP,dibutyryl-cAMP,IBMXなどのc-AMP elevating agentsは石川細胞の増殖能を抑制し、一方、proteinC系を介してTPAは増殖能を促進した。7)TNF receptor抗体、analogue投与実験より、TNFの増殖抑制機序は55kDaTNF receptotを介して作用しており、75kDa receptorを介していない。8)TNFやc-AMP elevating agentsはM-CSF産生を促進する。9)TNFやc-AMP elevating agentsはTUNEL反応やDNA histogramの成績より、apoptosisにより細胞増殖抑制をきたしている。 卵巣癌細胞株(PEO1,PEO4,PEO14)のM-CSF産生能は、1)子宮体癌株や子宮頸癌株に比し、有意に高く、IL-1やTNFに対する反応も異なっている。2)臨床サンプルにおいても卵巣癌患者の血中M-CSFレベルは、子宮体癌、頸癌患者のものに比し、有意に高い。また臨床期とも相関する。 このため卵巣癌は、他の婦人科癌に比べて異なった発育、転移形式をもち、免疫細胞、免疫療法に対する反応が異なる可能性が示唆された。
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[Publications] 池羽一紀 他: "卵巣明細胞癌に対する化学療法の臨床効果" 癌と化学療法. 24巻. 1279-1283 (1997)
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[Publications] 竹田 省 他: "術前動注療法時にハーベストし、術後末梢血幹細胞移植(PBSCT)併用化学療法を施行した進行子宮頚部腺扁平上皮癌の2例" 癌と化学療法. 24巻. 1013-1017 (1997)
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[Publications] 竹田 省 他: "卵巣癌に対するPBSCT併用semi-high dose化学療法" 産婦人科の実際. 47巻. 69-75 (1998)