1995 Fiscal Year Annual Research Report
胚発生および卵巣機能におけるプロスタグランジンの影響に関する実験
Project/Area Number |
07671828
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
栃木 明人 日本大学, 医学部, 講師 (00197899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 智 日本大学, 医学部, 講師 (30238084)
山田 祐士 日本大学, 医学部, 助手 (30210488)
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Keywords | プロスタグランジン / 黄体 / アポトーシス / 胚発育 |
Research Abstract |
平成7年度は、1)ヒト黄体組織におけるアポトーシスの月経周期における検討、2)マウス黄体におけるアポトーシスの検討、3)マウス初期胚発育とプロスタグランジンの関係、について検討した。 1)インフォームドコンセントのもとに手術時得られた卵巣黄体組織について、月経周期にともない、アポトーシスを起こしている細胞をnick end labeling法で検討し、同時に血液中のプロゲステロン濃度を測定した。黄体期早期から後期にかけてアポトーシス陽性細胞比率は増加し、それとは逆にプロゲステロン濃度は黄体期中期をピークとして減少する傾向が認められたが、妊娠時の黄体においては、アポトーシスは検出されなかった。黄体機能に細胞のアポトーシスが関与し、また妊娠時にはアポトーシスを抑制する系が働いていることが示唆された。 2)実験動物としてマウスを用いて黄体のアポトーシスを検討し、陽性を示す細胞が認められたが、比率はわずかであった。マウスの性周期は短いため性周期に伴う変化は認められなかったが過排卵処理後に検出可能であった。 3)ヒトではプロスタグランジンが黄体の退縮に関連すると言われているので、黄体期に起っている胚発育に対するプロスタグランジンの影響をマウスを用いて検討した結果、PGE2の比較的高濃度では発育が抑制され、またグルコースの胚での取り込みも抑制された。 以上より、プロスタグランジンが卵巣機能と胚発育の両者に影響することが示唆された。
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Research Products
(2 results)