1997 Fiscal Year Annual Research Report
胚発生および卵巣機能におけるプロスタグランジンの影響に関する実験
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07671828
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Research Institution | NIHON UNIVERSITY |
Principal Investigator |
栃木 明人 日本大学, 医学部, 講師 (00197899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 智 日本大学, 医学部, 講師 (30238084)
山田 祐士 日本大学, 医学部, 講師 (30210488)
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Keywords | 胚発生 / アポトーシス / プロスタグランディン / 黄体 |
Research Abstract |
平成9年度は以下の検討を行った。 アポトーシス誘導因子については、ヒトの摘出検体についてRT-PCR法でFas antigenおよびFas ligand,prostaglandinF2αのreceptor関連蛋白質のmRNAの発現をみると、これらは黄体組織にその発現が認めらた。月経周期に伴う発現強度の変化は、PGF2αreceptor関連蛋白質で黄体期後期に若干発現が強まる傾向を認めたのみであった。マウス黄体組織については、排卵誘発後にPGF2αあるいはPGE2を投与すると黄体細胞にアポトーシスが誘導され、その効果は同一ではなくPGE2によるもののが出現時間がより早期であった。またこれら投与時のマウス血中プロゲステロン濃度は、対照動物に比較して明らかに低値であった。Fas antigenおよびFas ligand,PGF2αreceptorのmRNAはマウス黄体組織でも発現が認められた。黄体時期による発現強度はPGF2αreceptorで後期に強まる傾向を認めたが、他は明らかではなかった。マウス胚代謝に対するPGの影響については、マウス4細胞期胚のglucoseおよび3H-thymidinの取り込みを検討した。これら取り込みはPGE2の培養液中への添加によって両者取り込みともに抑制されるが、マウス胚におけるPGE2の結合濃度と比較すると比較的高濃度のPGE2を必要とした。また、これらPGの添加培養によって胚発育が抑制されることが認められた。胚の質を検討するための物質添加培養時の形態的変化は、一般的培養条件の不適切化やPG添加時では、胚の細胞膜の変化著明でなく、細胞質に顆粒状の変化がみられた。一方、脂質代謝阻害物質添加では細胞膜に分葉化様の変化が認められ、細胞の変化に相違が認められた。
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