Research Abstract |
CDDP耐性卵巣明細胞腺癌細胞培養株を用いてin vitro,in vivo感受性試験を施行。その結果に基づいて、臨床試験をpreliminaryに施行した。結果は以下の如くである。 1)In vitro感受性試験: 2種類の明細胞腺癌細胞株HAC,KKを用いた。薬剤は、CPT-11,SN-38(CPTの活性型),CDDP,Etoposide,MMC,ADM。HAC/KKに対するIC_<50>(ng/ml)は、それぞれ、SN-38:0.5/1.2,MMC:9.0/36.0,ADM:10.0/13.0,CDDP:114.0/116.0,ETOPO:109/190,CPT-11:410/2025であった。単剤では、SN-38,MMC,ADMが有効であった。2)In vivo腫瘍増殖抑制試験:(C57/BL6 nude mice使用)KKは移植成功せず。HACでの腫瘍増加抑制率は以下の如くであった。 a)単剤:MMC:57.9%,ADM:36.4%,CDDP:26.5%,ETOPO:14.5%,CPT-11:16.8%で、MMCが最も抗腫瘍効果が強力であった。b)併用:CPT/MMC:79.0%,CPT/ADM:52.7%,CTP/CDDP:15.7%,MMC/ADM:47.5%,MMC/CDDP:31.5%で、CPT/MMCが最も強力であった。 3)臨床治験:CPT、MMC単剤で有効例が認められた(昨年報告済み)ため、以下の如く併用のレジメンで最終trialを施行した。CPT:140mg/m^2(iv),day 1,15,29,MMC:7mg/m^2(IP),day 1,15,29.治療にあたり、患者に対し十分な説明をし、文書による同意を得た。現在まで、25症例が登録されている。効果(95%CI)は、CR5例(4.3-35.7%),PR8例(13.7-50.3%),NC9例,PD3例で、CR+PR/evaluableは、13/25=52%(95%CI:32.4-71.6%)で,両群間に有意差を認めた(p=0.01 by log-rank)。病理学的に純粋な明細胞腺癌に対して、seriesで化療が奏効したのは、本レジメンが初めてである。今後、本成績にを基に、全国レベルでclinical trialを予定している。1996年5月ASCO(AmericanSociety of Clinical Oncology)で発表。
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