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1996 Fiscal Year Annual Research Report

真珠腫に特異的に発現する遺伝子の分子生物学的研究-3'プライム方向cDNAライブラリーのサブトラクション法を用いて-

Research Project

Project/Area Number 07671854
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

土井 勝美  大阪大学, 医学部, 講師 (40243224)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 三代 康雄  大阪大学, 医学部, 助手 (00263260)
大久保 公策  大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (40233069)
Keywords真珠腫 / 3′プライム方向cDNA / differential display / HGF / C-MET / Tpr
Research Abstract

1)真珠腫性中耳炎手術前に摘出した真珠腫マトリックスを液体窒素中にてホモゲナイズした後、グアニジン/酸性フェノール/クロロホルム抽出法にてRNAを抽出し、オリゴdTカラムにてmRNAに精製した。得られたmRNAとベクタープライマーおよび逆転写酵素を用いてベクタープライマー内に発現遺伝子(DNA)に相補的な遺伝情報を持つ2本鎖cDNAを組み込み、さらに制限酵素であるMbolにより平均270塩基対程度の大きさに切断して3'プライム方向cDNAを作成した。
2)こうして作成した真珠腫cDNAは培養プレート上に大腸菌コロニー内に存在しており、これらの中から偏りなく無作為に約200個の大腸菌コロニーを選択して、その塩基配列をDNAシークエンス法にて決定し、真珠腫3'プライム方向cDNAライブラリーを作製した。
3)同様の手法により外耳道皮膚および慢性中耳炎肉芽から3'プライム方向cDNAライブラリーを作製し、真珠腫3'プライム方向cDNAライブラリーとの比較から、上皮系・非上皮系細胞の強力な増殖因子である肝細胞増殖因子(HGF)およびその特異的受容体C-METの発現量が、真珠腫性中耳炎において上昇している事が判明した。HGFは、皮膚keratinocyteの増殖因子としての生理活性が同定されており、真珠腫性中耳炎における偏平上皮の異常増殖能に何らかの関連があるものと推察される。
4)最近開発されたdifferential display法により、真珠腫性中耳炎においてup-regulateされるcDNAについて、その塩基配列をDNAシークエンス法にて決定した。
真珠腫性中耳炎では、細胞内の核膜孔の構成成分であるTpr geneのmessageが増加していた。Tpr geneは、2349個のアミノ酸よりなる分子量約30kDaの蛋白質で、その生理機能は十分解析されてはいないが、oncogeneの活性化に関与するとされており、真珠腫性中耳炎における偏平上皮の異常増殖能に何らかの関連があるものと推察される。
6)これまで得られた真珠腫cDNAの遺伝子情報から、真珠腫マトリックスでは、HGF、C-MET、Tpr、IL-6などの発現量が増加している事が判明した。今後、これらの物質の局在部位、生理機能および真珠腫中耳炎の増殖機構との関連について検討する予定である。

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Published: 1999-03-08   Modified: 2016-04-21  

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