1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671855
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
毛利 光宏 神戸大学, 医学部, 助手 (20166317)
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Keywords | 喉頭癌 / 喉頭摘出術 / 気管食道癌発声 / 呼吸 / 筋電図 / 新声門 |
Research Abstract |
喉頭癌で喉頭摘出を受け当科において経過観察を行っている患者のうち、気管食道瘻発声で日常会話を行っている者数名に研究目的をよく説明したうえで同意を得た患者を研究対象とした。 発声時、下喉頭後壁に下喉頭収縮筋による膨隆を生じ、その膨隆から筋放電が得られることは既にわかっていた。今回、発声が吸気に行われることと、内視鏡検査で深呼吸時に下咽頭内腔が閉鎖開大することから、呼吸時この膨隆から筋電図検査を施行した。その結果、呼吸に一致した筋放電が得られることがわかった。すなわち、吸期、呼期に筋放電が得られ移行期には筋放電は消失した。さらに、この筋放電は呼吸の強さに関係することがわかった。すなわち、深呼吸を行うだけで新声門となりうるような咽頭内腔の狭窄部を形成しうることがわかった。そこで、「気管食道瘻発声における新のではないか」という疑問が生じた。 正常の喉頭発声では喉頭は振動源であるだけでなく、喉頭内筋による複雑な喉頭調節により発声を調節している。気管食道瘻発声では喉頭発声にほぼ匹敵する明瞭度、流暢さを有している。単に呼吸性収縮により形成された後壁膨隆を呼気が振動させることだけで気管食道瘻発声がなされているのではないと考えられる。すなわち、後壁膨隆を形成する下咽頭収縮筋の筋活動をめぐって、喉頭調節にかわる調節機構が存在することが想定される。現在、呼気と発声での下咽頭収縮筋の収縮の違いを明らかにする目的で筋電図検査、咽頭食道の内圧検査を中心に行っている。
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