1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671856
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田原 真也 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (60207206)
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Keywords | マイクロサージャリー / 微小血管吻合 / 放射線照射 / 術前照射 / 血栓形成 |
Research Abstract |
家兎耳介の微小血管吻合モデルにおいて血管開存に及ぼす放射線照射の影響を分析し、臨床上の術前照射と血管柄付き組織移植の安全性の指標とすべく実験を行っている。 初年度(平成7年)購入の手術用顕微鏡と血管吻合器械を用いて、家兎耳介の動脈及び静脈の切断後再吻合実験を行った。まず家兎耳介血管での吻合技術の水準をみるため,術前照射なしで家兎耳介20耳(口径約1mm)に血管吻合実験を行った。動脈の開存率は95%以上が得られ、静脈の場合、75%であった。また予備的に10耳介に10Gy術前照射して約1か月後に血管吻合を行った。この場合、動脈で約90%の開存が得られたが、静脈では開存するものがある一方で、照射の影響か、吻合そのものができない血管があったり安定せず、実験そのものの遂行がかなり困難であることが分かった。そのため照射線量と開存率の関係の検索と組織学的検索は耳介動脈のみで行うこととした。 当初の計画では、照射による傷害のため吻合不能または吻合できても後に全部の血管に閉塞を生じさせる線量を限界線量と名付けて、これを決定した後、限界線量を最大値として0Gy(コントロール)までの線量を段階的に設定して各線量と開存率の関係を解析する予定であった。しかし照射から吻合手術までの期間や吻合する血管の部位などの条件によって上記の限界線量にかなりのばらつきがでることがわかった。このため照射から手術までの期間を2週間に統一して、吻合部位も耳介動脈が分岐する直前の最も口径の大きい部位と決定した。現在 30、40、50、60Gyの各線量で術前照射を行った後、上記の条件下で血管吻合を行い限界線量決定の実験を続行中である。
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