1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671856
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Research Institution | KOBE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田原 真也 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (60207206)
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Keywords | 微小血管吻合 / 血管開存 / 放射線照射 / 遊離組織移植 / 家兎実験モデル |
Research Abstract |
マイクロサージャリーによる血管吻合のモデルにはラットの鼠径動静脈が使われることが多い。今回照射実験をするために都合のよい家兎耳介基部の動脈がラット鼠径動脈に匹敵するか、なおかつ臨床における遊離組織移植の際の術前照射のモデルになりえるかを調べた。昨年度の実験から家兎耳介基部の動脈における血管吻合開存率は97〜98%であった。同一の術者のラット鼠径動脈におけるそれは100%であった。臨床症例での同一術者による遊離組織移植の際の血管吻合の開存率を調べた。遊離橈側前腕皮弁の動脈血管茎は口径1.5〜2.0mmである。この皮弁移植を230例に行って皮弁壊死は2例で血管開存率は99.1%であった。また前腕皮弁より血管茎の細い空腸移植では動脈口径が1.0〜1.5mmで、家兎耳介動脈に匹敵し、この場合82例中3例が脱落した。開存率は96.3%であった。以上から家兎耳介の動脈吻合はほぼ臨床における遊離組織移植のモデルになりうると考えた。 以上をバックグラウンドとして術前照射実験を行った。家兎5兎10耳を1グループとして、各グループに20,30,40,50Gyを行い、3週間のちに血管吻合を行って2日後に開存を確認した。この結果20Gyでは開存率90%、30Gyで60%、40Gyで0%、60Gyで0%であった。吻合血管に対する術前照射は40Gyを越えると開存率が極めて悪くなることが判明した。照射から吻合までの期間については今回実験できていないため、この結果を即臨床にあてはめることは危険であるが、術前照射で40Gy以上の当たっている症例では組織移植のための移植床血管を照射野外に求めることが肝要と思われた。
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