1997 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性内耳疾患の病態の解明と治療へのアプローチ -動物モデルを用いた次元的検討-
Project/Area Number |
07671857
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
片岡 真吾 島根医科大学, 医学部, 助手 (60152667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 啓介 島根医科大学, 医学部, 助手 (10263542)
川内 秀之 島根医科大学, 医学部, 教授 (50161279)
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Keywords | 内耳免疫 / 外リンパ液 / 内リンパ嚢 / 免疫染色 / RT-PCR / 内リンパ水腫 / 神経伝達物質 |
Research Abstract |
内耳自己免疫疾患における内耳の病態を探るため、ラット内耳でKLHを抗原とした二次局所免疫応答の実験系を確立し、外リンパ液中の抗原特異抗体価のELISAによる測定、外リンパ腔、過牛軸静脈、および内リンパ嚢上皮下組織の免疫染色によるリンパ球サブセットの動員の検討を行った。内耳抗原の分離、精製においては粗な分離はできたものの抽出までに至っていないため、内耳特異抗原としての免疫応答は検討していない。蛋白抗原であるKLHを用いた上記モデルでの検討では、内耳局所二次感作を行なった側の外リンパ液中の抗体価は、対照側である対側の外リンパ液中の抗体価に比べ、有意に上昇していた。また、その際の内リンパ嚢上皮下組織のリンパ球の解明(免疫組織化学的検討およびFACS解析)でIgG陽性細胞を中心としてIgMおよびIgA陽性細胞の動員も見られ、T細胞の検討では初期にはhelper/inducer T細胞、後期にはsuppressor/cytotoxic T細胞の動員が見られることがわかった。しかし、内リンパ嚢上皮下組織からのリンパ球の分離採取にはその数的制限があり、サイトカイン産生をRT-PCR法により検討する実験は成功していない。また、KLHを用いた内耳局所二次免疫応答の実験系さらには内リンパ管の機械的閉塞による内リンパ水腫状態での外リンパ液中のSubstance PやVIPなどの神経伝達物質の測定については現在検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hideyuki Kawauchi: "Role of ELsac lymphocytes in inner ear immune response" Acta Otolaryngol.Suppl.(in press).
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[Publications] 川内秀之: "アレルギーの領域 Vol.4(2)耳のアレルギー" (株)医薬ジャーナル社, (1997)