1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671860
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大崎 勝一郎 徳島大学, 医学部・附属病院, 教授 (20116792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
延藤 洋子 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (90274224)
伊井 邦雄 徳島大学, 医学部, 助教授 (50035507)
大恵 眉美 徳島大学, 薬学部, 教務員
柴田 宝 徳島大学, 薬学部, 助教授 (40035556)
山下 伸典 鳴門教育大学, 自然科学系, 教授 (50028180)
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Keywords | middle ear cholesteatoma / bone destruction mechanism / laser-Raman spectroscopy / hydroxyapatite / Apaceram / demineralization / remineralization / molecular level |
Research Abstract |
慢性中耳炎に真珠腫が伴うと,病変部の骨破壊は著明となり,種々の重篤な合併症を引き起こすことは耳鼻咽喉科医の間でよく知られている。本症骨破壊機序に関しては,未だ不明な点が多い。本症の骨破壊や骨吸収を分子のレベルからみると,その本態は,demineralization(脱灰)だけでなく,破壊骨表面にはremineralization(再結晶)もおきるという仮説を提唱した。本仮説を実証するため実験モデルを作成して,分子レベルで表面構造を解析することによって,本症骨破壊機序を解明しようとした。前述の研究目的に記した仮説を実証するため本年度はin vivo実験を行った。実験系をより単純化するため,商品化されているhydroxyapatite(HOAP)から作製した人工耳小骨であるApaceram ^R(AP)の小円板をSPFウィスター・ラットの肩甲骨間部の皮下へ埋込んだあと3,6ヵ月後の2回,皮下組織と共にAPを摘出した。摘出したAPの表面構造を実体顕微鏡下に,またAPに接した皮下組織は蛍光顕微鏡下にそれぞれ観察・写真撮影したあと,レーザー・ラマン分光光度計を用いてラマン・スペクトルを観測し解析した。コントロールには未処理APと実験室で合成したHOAPを用いた。結果は以下のとおりである。1.AP表面の観測:(1)APにはHOAPだけでなくごく微量のHOAP以外のリン酸塩が存在した。(2)同じAP表面においても場所によってdemineralizationの過程に幾分かの差異が認められた。(3)生体内では時間の経過とともにAP表面のdemineralizationが進行していた。2.APに接した皮下組織の観測:皮下組織には未熟な骨様物質の存在が観測され,ついで時間の経過とともに骨の主要無機成分であるHOAPの増量が観測されたことより,remineralizationの進行が示唆された。
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Research Products
(1 results)