1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671860
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Research Institution | University Hospital. School of Medicine. The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大崎 勝一郎 徳島大学, 医学部・附属病院, 教授 (20116792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 弘 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (50284328)
伊井 邦雄 徳島大学, 医学部, 助教授 (50035507)
大恵 眉美 徳島大学, 薬学部, 教務員
柴田 瑩 徳島大学, 薬学部, 助教授 (40035556)
山下 伸典 鳴門教育大学, 自然科学系, 教授 (50028180)
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Keywords | middle ear cholesteatoma / bone destruction mechanign / laser-Raman Spectroscopy / hydroxyapatite / Apaceram / demineralization / remineralization / molecular level |
Research Abstract |
慢性中耳炎に真珠腫が伴うと病変部の骨破壊は著明となり,そのため種々の重篤な合併症を引き起こすことは耳鼻咽喉科医の間でよく知られている。本症骨破壊機序に関しては,未だ不明な点が多い。本症の骨破壊や骨吸収を分子のレベルからみると,その本態は,demineralization(脱灰)だけでなく,破壊骨表面にはremineralization(再結晶)もおきるという仮説を提唱した。本仮説を実証するため実験モデルを作成し,分子レベルで表面構造を解析することによって,本症の骨破壊機序を解明しようとした。前述の研究目的に記した仮説を実証するため本年度はin vivo実験(埋込後10カ月)とin vitroの実験を行った。実験系をより単純化するため、商品化されているhydroxyapatite(HOAP)から作製した人工耳小骨のApaceram【encircledR】(AP)を使用した。 in vitro実験:AP小円板をSPFウイスタ・ラットの肩甲骨間部の皮下へ埋込み,10ヵ月後に皮下組織とともにAPを摘出した。APの表面構造を実体顕微鏡,走査型電子顕微鏡(SEM),レーザー・ラマン分光光度計を用いてラマンスペクトルを観測した。またAPに接した皮下組織は蛍光顕微鏡下に観察・写真撮影を行ったあと同じくラマン・スペクトルを観測した。対照群には未処理APと実験室で合成したHOAPを用いた。 in vivo実験:APの生体内における動態を解明するためモデル実験を行った。二次蒸留水や生理的食塩水にAP小円柱を浸したあと,導電率の経時変化からAPの分解過程を観察した。結果は以下のとおりである。1.AP表面の観測:時間の経過とともにAP表面のdemineralizationが進行(in vitro実験とSEMによる観察ならびに平成7年度研究実績報告書)したあと,HOAP以外のリン酸塩の再沈着が起こった。2.APに接した皮下組織の観測:皮下組織にはHOAPが沈着した骨様物質が観測された。以上これらの実験によりdemineralizationの進行とremineralizationが証明された。
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