1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671862
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
湯本 英二 愛媛大学, 医学部・付属病院, 講師 (40116992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 英光 愛媛大学, 医学部, 助手 (30187223)
森 敏裕 愛媛大学, 医学部, 助手 (50200374)
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Keywords | 声帯振動 / 発声 / 粘膜波状運動 / 声帯下面 / 光グロットグラフィー / レーザー振動計 |
Research Abstract |
一定の流量で加湿した空気を送気してイヌ摘出喉頭の声帯を振動させた。気管側からストロボ光で照明して振動声帯を下面から観察、ビデオに録画した。吹鳴条件は(1)自然吹鳴時、(2)流量増加時、(3)声帯伸展時(輪状甲状軟骨接近術による)、および(4)両側甲状披裂筋(以下、内筋と略)収縮時の4条件である。なお、声帯には、声帯縁から下方に向かって数点を標識した。ビデオに録画された声帯振動を繰り返して観察し、ヒダ状粘膜隆起(以下、ヒダ状隆起と略、声帯振動の下限)と標識点の位置関係を明らかにした。自然吹鳴時には声帯縁から3〜4mm下方にヒダ状隆起が生じた。流量増加時は、水平方向の振幅が増加したが、ヒダ状隆起の生じる粘膜上の位置は変化しなかった。声帯を伸展すると、ヒダ状隆起は自然吹鳴時よりも上内方に生じ、粘膜振動範囲は声帯遊離縁の近くに限定された。内筋収縮時には、ヒダ状隆起は自然吹鳴時よりも下外方に生じ、声帯振動範囲は気管側に向かって拡大した。 次に、光グロットグラフィーを用いて声帯振動の水平方向の動きを、レーザー振動計を用いて声帯振動の垂直方向の動きを同時に観察した。声帯振動の2方向からの観察は今回が初めての試みであり、まず以下のような試行を行った。光グロットグラフィーは市販されていないので光センサーを購入し信号増幅器を作製した。また、外部からの光の混入を防ぐために遮光された木製の箱(喉頭固定用)を新たに工夫した。レーザー振動計の使用に当たっては、声帯表面からのレーザー光の反射を効率よく感知できるようセンサーヘッドをできるだけ声帯上面に近づけるようにした。 引き続いて、声帯振動の2方向からの同時観察を(1)自然吹鳴時および(2)流量増加時の2条件下で行い、信号をデータレコーダに記録した。現在、これらの得られた信号から、声帯振動における水平方向の動きと垂直方向の動きの位相や振幅の関係の分析に着手した段階にある。
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Research Products
(1 results)