1997 Fiscal Year Annual Research Report
内リンパ水腫の成因 -ラセン靭帯、内リンパ嚢の役割-
Project/Area Number |
07671868
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Research Institution | Oita Medical University |
Principal Investigator |
一宮 一成 大分医科大学, 医学部, 講師 (70223112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 正志 大分医科大学, 医学部, 助教授 (60211314)
茂木 五郎 大分医科大学, 医学部, 教授 (20035190)
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Keywords | vimentin / S-100 / connexin26 / proteoglycan / collagen / 内リンパ水腫 / ラセン靭帯 / 細胞外マトリックス |
Research Abstract |
モルモットの内リンパ管を閉塞後、1週から6か月目に断頭し側頭骨を採取、ホルマリン固定、EDTA脱灰し、パラフィンに包埋した。連続切片を作成し、vimentin、S-100、connexin26、proteoglycanおよびII型collagenに対してABC法で免疫染色を行い、内リンパ水腫耳の蝸牛における変化を観察した。これまでの我々の報告と同様、ラセン靭帯のI型線維細胞を認識するvimentin、S-100、connexin26は同部位において染色性が低下していたが、細胞外マトリックスのproteoglycanやII型collagenは内リンパ水腫耳のラセン靭帯に染色性の差を認めなかった。画像解析装置を用いてvimentinとproteoglycanの染色強度を測定し、定量的に比較した結果、vimentinは内リンパ管閉塞2週目以降の動物でラセン靭帯における染色性の低下が明らかであったが、一方proteoglycanはいづれの生存期間の動物でも染色性の変化は著明でなかった。 以上より実験的内リンパ水腫に伴いラセン靭帯の線維細胞は傷害を受けるものの、細胞外マトリックスには明らかな変化は及ばないことが示された。ヒト側頭骨病理組織では内リンパ水腫に伴うラセン靭帯の変化は現在まで報告されていないが、今回の我々の研究のように線維細胞と細胞外マトリックスを別々に検討した報告はない。細胞外マトリックスの間に存在する線維細胞に焦点をあててラセン靭帯を観察することが、メニエール病を代表とする内リンパ水腫の病態解明に有用ではないかと考えた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ichimiya I,et al.: "Immunological potential of the tympanic membrane.Observation under normal and inflammatory conditions" Am J Otolaryngol. 18. 165-172 (1997)
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[Publications] Ichimiya I,et al.: "Changes in Immunostaining of Inner Ears after Antigen Challenge into the Scala Tympani" Laryngoscope. (in press).
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[Publications] Ichimiya I,et al.: "Changes in the lateral wall of the cochlea after experimental otitis media" Proc Sendai Symposium. (in press).