1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671887
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
富山 俊一 日本医科大学, 医学部, 助教授 (00094665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 俊之 日本医科大学, 医学部, 助手
池園 哲郎 日本医科大学, 医学部, 助手 (80277491)
陣内 賢 日本医科大学, 医学部, 助手
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Keywords | メニイエール病 / 内リンパ嚢 / 補体 / 抗体 / 蝸電図 / 炎症細胞 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
はじめに:メニエール病では内リンパ嚢線維化と内リンパ水腫の病理学的変化が見られることから、内リンパ嚢機能障害を起こす病因とメニエール病発症との密接な関連が示唆されている。本研究はメニエール病と類似の所見を呈する内耳免疫傷害モデル動物を開発し、この動物モデルにおける内耳免疫傷害の発症機序を解明することを目的とした。 結果:1)実験動物モルモットの内リンパ嚢にIII型免疫反応を惹起させ、めまい発作、変動する感音難聴と内リンパ水腫形成を同時に誘発可能な内耳免疫傷害モデル動物の開発に成功した。抗原としてkeyhole limpet hemocyaninを使用した。抗体過剰動物の内リンパ嚢への直接抗原刺激後、10時間から48時間の期間が発症のピークを示した。2)蝸電図、聴性脳幹反応検査による聴力閾値は1〜2日芽に上昇し、7日目に回復したが、一部の動物では回復しなかった。3)めまい発作は10時間前後に発症した。4)内リンパ嚢に注入した抗原の分布は内リンパ嚢に局在し、10時間後から2日間は炎症細胞の内リンパ嚢遊走が著明であったが、さらに抗原の局在しない蝸牛、前庭の外リンパ腔にも遊走した。5)蝸牛への炎症細胞遊走は蝸牛軸ラセン静脈からであり、鼓室階下部回転に多く、前庭階では上部回転に多く遊走した。5)外リンパ補体CH50、抗KLH抗体価は10時間後から2日間、有意な高値を示した。 まとめ:内リンパ嚢局所でのIII型免疫反応で放出される酵素、化学作動物質、サイトカインなどの内耳全域への拡散により、内リンパ嚢のみならず内耳全域の免疫防御と同時に内耳全域の免疫傷害発症の機序が本研究にて示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kosaka K: "Inner ear autoantibodies in patients with sensorineural hearing loss" Acta oto laryngol(stockn). Suppl 519. 176-177 (1995)
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[Publications] Takahashi M: "Cell proliferation in the endolymphatic sac in situ after inner ear immunostimulation" Acta Oto laryugol(Stakh). 115. 396-399 (1995)
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[Publications] Jinnouchi K: "Distribution of endotholin-1 like activity in the endo lymphatic sac of normal guineapigs" Acta Oto laryngol. 115. 400-404 (1995)
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[Publications] Jinnouchi K: "Distribution of endothelin-l like activity withe vestibule of normal guinea pigs" ORL Relat Spec. 58. 4-8 (1996)
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[Publications] 富山俊一: "内耳免疫" JOHNS. 12. 49-54 (1996)
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[Publications] Takahashi M: "Regeneration of the damaged endolymphatic sac ep the lium" Largugo scope.