1996 Fiscal Year Annual Research Report
HLA-B27の解析、強直性脊椎炎とぶどう膜炎の発症機構の解明に向けて
Project/Area Number |
07671903
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Research Institution | Saitama Medical School |
Principal Investigator |
上甲 覚 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (80246470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 雄次郎 東京大学, 医学部, 講師 (30143465)
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Keywords | HLA-B27 / 強直性脊椎炎 / ぶどう膜炎 / ハプロタイプ |
Research Abstract |
強直性脊椎炎(AS)および急性前部ぶどう膜炎(AAU)へのHLA-B27の関与については各国で報告されている。我が国においてはHLA-B27の頻度が稀で多数例の解析を行った報告はみられない。AS患者およびAAU患者においてHLA頻度を調査し,HLA-B27についてはサブタイプをSSCP(Single Strand Conformation Polymorphism)法にて解析を行い,各グループの検体および判別不能の検体はSBT(Sequence Based Typing)法を用いて塩基配列を決定した。当研究のHLA-B27を持つ対象患者44例においては二種類のサブタイプが同定されており,B^*2704は34例,B^*2705は10例にみられた。(日本人にそれ以外のサブタイプがあっても非常にまれであると考えられる。)AS患者においてAAU合併群には非合併群に比べHLA-DR8を保有する傾向がみられたため,優先的にclass IIのDNA解析をSSCP法およびRFLP(Restriction Flagment Length Polymorphism)法にて行った。各HLA-B27サブタイプごとにDR,DQローカスとの連鎖を検討した。日本人を対象とした場合,HLA-B27が非常に稀なためそのハプロタイプの頻度は求めにくい。よって一般対照群とHLA-B27を持つ正常人のハプロタイプ頻度差からB27を含むハプロタイプを検討している。これについて文部省管轄の統計数理研究所にて解析中である。その結果としてB^*2705はDRB1^*0101との連鎖が他の人種同様に日本人においても明らかであり,B^*2704はDRB1^*0803との連鎖を解析中である。一方,日本人患者の報告では現在でも最も対象数が多いが,尚も対象患者の増加を試みている。
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[Publications] 今野泰宏: "強直性脊椎炎患者の急性前部ぶどう膜炎とHLA-B27サブタイプおよびDR8" 臨床リウマチ 別冊. Vol.8/No3. 170-174 (1997)
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[Publications] 上甲覚: "WHO-MDT分類によるらい(ハンセン病)の病型とHLA classII対立遺伝子" 日本ハンセン病学会雑誌. 65(2). 121-127 (1996)
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[Publications] 上甲覚: "らい(ハンセン病)の上強膜炎とヒト主要組織適合抗原" 日本眼科学会雑誌. 101(2). 167-172 (1997)
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[Publications] 今野泰宏: "眼症状を有するサルコイドーシス患者のHLAと性差" 臨床眼科. 50巻6号. 1140-1144 (1996)