1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671909
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
富田 剛司 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (30172191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恩田 鋭治 岐阜大学, 医学部, 助手 (60231247)
杉山 和久 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (80179168)
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Keywords | 視神経乳頭 / 網膜神経線維層 / レーザー走差型眼底観察装置 / 緑内障 / 画像解析 |
Research Abstract |
現有のレーザー走差型眼底観察装置を用いて視神経乳頭周囲の網膜神経線維層高のダイアグラムを解析したところ、神経線維層欠損あるいは乳頭辺縁部の萎縮のみられる正常眼圧緑内障眼では、その部に特徴的なダイアグラムの低下がみられた。また、乳頭陥凹の三次元解析では、視野欠損に対応する部の乳頭陥凹の拡大が確認された。これらの情報を基にした正常眼圧緑内障眼における乳頭障害の診断率は、83%にのぼることが判明し、緑内障の診断に大きく貢献することが確認された。 また、同じくレーザー走差型眼底観察装置のアルゴンブルーレーザーを用いて緑内障眼における網膜神経線維層欠損を観察し、中心部視野欠損(中心10度以内)との関連を検討した。網膜神経線維層欠損に対し、その乳頭からの立ち上がり角度、中心窩から欠損部までの水平距離、垂直距離を新たに定義し、視野欠損の最も中心窩に近い部分の角度を求めその相関を求めたところ、非常に強い相関が統計学的有意に認められた。今回定義した網膜神経層欠損の3つのパラメーターは、緑内障眼における中心部視機能異常をより早期に発見できる可能性がある評価法として今後の検討に値するものと考えられた。 さらに、網膜神経線維層厚の測定を健常成人眼75例75眼において行ったところ、加齢性に神経線維層厚が減少することが判明した。従来視神経線維の減少は確認されていたが、線維層厚もそれに応じて減少するという報告はほとんどなかった。今後、各年代における網膜神経線維層厚の正常値および加齢による減少量の正常範囲が決定されれば、臨床上の有用性がさらに向上することが期待される。
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[Publications] Chi,Qi-Min: "Evaluation of the effect of aging on the retinal nerve fiber layer thickness using scanning laser polarimetry." Journal of Glaucoma. 5. 406-413 (1995)
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[Publications] 遅 啓民: "スキャニングレーザーポラリメーターによる網膜神経線維層厚の測定再現性" 眼科紀要. 46. 387-391 (1995)
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[Publications] 富田剛司: "レーザースキャニングトモグラフィを用いた緑内障視神経乳頭障害の診断" 臨床眼科. 49. 1701-1705 (1995)
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[Publications] 中尾浩子: "傍中心部視野閾値と視神経乳頭耳側網膜神経線維層変化との関連" 臨床眼科. 49. 1783-1786 (1995)
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[Publications] 内田英哉: "緑内障眼における網膜神経線維層欠損と中心部視野障害との関連" 日本眼科学会誌. 99. 1158-1163 (1995)
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[Publications] 井戸忠美: "糖尿病網膜症における病期別の網膜神経線維層の厚み" 眼科紀要. 46. 705-708 (1995)
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[Publications] 富田剛司: "緑内障手術に必要な解剖学的知識 北澤克明(編)眼科手術書 3 緑内障" 金原出版, 284 (1995)
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[Publications] Raitta C.: "Glaucoma In: Principles of Ophthalmology, A Tarkkanen ed." Recallmed Ltd, 295 (1995)