1995 Fiscal Year Annual Research Report
ヘルペス性角膜白斑に対する人工角膜挿入術の治療方針の決定
Project/Area Number |
07671922
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
塩田 洋 徳島大学, 医学部, 助教授 (20035736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木内 康仁 徳島大学, 医学部・附属病院, 医員
工藤 英治 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (50274220)
内藤 毅 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (60164109)
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Keywords | 角膜ヘルペス / 単純ヘルペスウイルス / セラミック / 人工角膜 / 単結晶サファイア / チタニウム / 家兎 |
Research Abstract |
中央光学部は透明なセラミックで、支持翼はチタンで出来ている、直径8.8mmの人工角膜を作製して次の実験を行った。(実験1:角膜の厚さに関する研究) ガラス毛細管を用いて、家兎角膜にherpes simplex virus(HSV)を接種した。接種2日後には樹枝状角膜潰瘍が形成されていたが、潰瘍は10日から14日で自然に消失し、1カ月後には角膜白斑を残して炎症も消失していた。接種するHSVの力価の違いと、接種数の違いから、角膜白斑の厚さをコントロールした。ウイルス接種後2カ月を経たこれらの角膜白斑の眼に、人工角膜を挿入して2カ月間にわたって治療をしながら経過を観察した。角膜厚が正常ならびに2/3の眼では、人工角膜の挿入が可能であり、それぞれ4眼とも順調に経過した。しかし角膜厚が1/3の眼では人工角膜の挿入が難しく、やっと挿入出来た1眼も、6日後には脱落していた。これらの結果から、ヘルペス性角膜白斑の患者に我々が開発した人工角膜を挿入する場合には、角膜厚が2/3以上必要と判断した。 (実験2:角膜ヘルペス再発の有無ならびに抗ヘルペス剤予防点眼の効果判定) 家兎角膜にHSVを接種し、2カ月後正常厚の角膜白斑を有する6匹の兎の右眼に人工角膜を挿入した。1群の3匹には0.1%C.OXT-G点眼液を1日5回点眼し、2群の3匹には対象として生理食塩水を点眼した。2カ月にわたり経過を観察したが、両群に潰瘍の再発はなかった。挿入1カ月と2カ月後に結膜嚢からウイルス分離を試みたが全て陰性であった。しかしPCR法では、2群の1眼に2カ月後陽性がみられた。現在同様の実験を行い、効果判定に必要な眼数を増やしている。
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