1995 Fiscal Year Annual Research Report
眼アレルギー疾患における炎症細胞の集積にかかわる免疫学的、分子生物学的研究
Project/Area Number |
07671937
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
高村 悦子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (90197202)
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Keywords | 眼アレルギー疾患 / 炎症細胞 / サイトカイン / ケモカイン / 好酸球 / ブラッシュサイトロジー / ELISA法 |
Research Abstract |
眼アレルギー疾患の慢性炎症性の病態を解明する目的で結膜局所に浸潤している炎症細胞の定量的解析およびELISA法を用いたサイトカインの検索を行なった。 1.炎症細胞の定量的解析 ブラッシュサイトロジーにより結膜上皮内の細胞を採取し,採取された細胞300個あたりの炎症細胞の比率を比較した.アレルギー性結膜炎では,瞼結膜上皮内に好酸球0.4±1.8%,肥満細胞0.03±0.16%,好中球1.6±3.4%,リンパ球1.7±4.6%をみとめた.アレルギー性結膜炎の浸潤する炎症細胞として特徴とされる好酸球および肥満細胞の細胞数は低く,定量的評価には適していなかったが、角結膜上皮障害を有する重症型のアレルギー性結膜炎である春季カタルでは好酸球の出現率は高かった。 アレルギー性結膜炎においては、結膜炎の重症度に伴い結膜上皮内の好中球の比率が高くなる傾向がみられた. 2.ELISA法を用いたサイトカインの検索 眼アレルギーにおいて重症化に関わる好酸球の産生、活性化、生存延長に関与するサイトカイン(IL-3,IL-5,GM-CSF)、好酸球の遊走に関与するケモカイン(RANTES,PF4,IL-4)が眼局所に存在しているかどうかを検討する目的で、アレルギー性結膜炎患者の涙液をマイクロピペットで採取し、ELISA法を用いて各種サイトカインを測定した。 アレルギー性結膜炎患者の涙液中には、好酸球の遊走に関与するケモカインであるRANTESが高頻度で検出された。一方、正常コントロールの涙液中からは、検出されず、RANTESがアレルギー性結膜炎における炎症細胞の浸潤に関与していることが推測された。 採取できる涙液量が微量であるため、数種類のサイトカインを同じ条件で採取し、検討していくことができなかった。そのため、他のサイトカインについては、現時点では、眼アレルギー症患との関連をみいだせるほど充分には検討できていない。
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Research Products
(1 results)