1996 Fiscal Year Annual Research Report
ATDC5細胞を用いたプロテオグリカンの構造変化に関する生化学的、組織学的研究
Project/Area Number |
07671963
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
柴田 俊一 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (80187400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 麻人 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90251545)
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Keywords | 軟骨 / プロテオグリカン / ATDC5細胞 |
Research Abstract |
ATDC5細胞を培養し、insulinを加えてこの細胞を軟骨細胞に分化誘導した。細胞はconfluentに達した後も増殖を続け、alcian blueで染色される軟骨様結節が形成された。この軟骨様結節はconfluent後2週より見られ始め、4週まで徐々にその数が上昇した。しかし4週後においてもdish全体が完全に結節で満たされることはなく、結節間部には軟骨に分化しない層も残存していた。またconfluent到達2週後に培地をVitamine Cを含むα-MEM培地に交換し、さらに2週間培養したところ基質中にvon Kossa染色で染色される石灰化基質が形成された。この石灰化組織は,β-glycerophosphateを2mM培地に加えることによって安定して形成されるようになった。このような形態学的解析からこの細胞を使った系で確かに石灰化軟骨組織を誘導できることがわかった。続いてconfluent時を0週とし、1、2、3、4、週後に、^3H-glucosamine,^<35>Sを含む培地でmetabolic labellingを行ない、合成されるproteoglycanの構造を生化学的に解析した。その結果1週目までは軟骨特異的な大型のproteoglycanはほとんど合成されず、合成されるproteoglycanは主に間質型のproteoglycanであった。2週目より軟骨型proteoglycanの合成も上昇したが、2週においてはラベルされたアイソトープ全体の30〜40%にすぎず、4週に至っても60〜70%までしか達しなかった。通常の軟骨組織では90%以上軟骨型のproteoglycanが占めるのに比べるとかなり低く、上述の形態学的知見と併せるとdishの中には軟骨以外の組織もかなり含まれていることが考えられた。したがって軟骨形成の系としてこの細胞を用いる場合は解析方法に少し注意をする必要があると思われた。現在石灰化に伴う変化について検索中である。またこの研究費を用いてin Vivoのマウス下顎頭軟骨の軟骨内骨化に関しても検索を行い、興味ある知見を得て論文がまもなく出版される予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Shibata et al.: "A Histological Study of the Developing Condylar Cartilage of the Fetal Mouse Mandible Using Coronal Sections" Archives of oral Biology. 41. 47-54 (1996)
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[Publications] S.Shibata et al.: "An Ultrastructural Study of Cartilage Resorption at the Initial Endochondral Bone Formation Site in the Fetal Mouse Mandibular Condyle" Journal of Anatomy. (印刷中). (1997)