1995 Fiscal Year Annual Research Report
舌の突出と後退を司る舌下神経運動ニューロンの機能と形態の解明(単一ニューロン内電位記録法とHRP注入法を用いて)
Project/Area Number |
07671967
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永瀬 佳孝 大阪大学, 歯学部, 助手 (50252698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 新二 大阪大学, 歯学部, 助手 (20263296)
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Keywords | 舌運動 / 舌下神経 / 運動ニューロン / 細胞内記録法 / 細胞内染色法 |
Research Abstract |
舌つきだし筋と舌ひっこめ筋を別々に同定し、それらの形態及び機能を調べた。データ数は十分ではないが、舌つきだし筋、舌ひっこめ筋の運動ニューロンの形態は、咀嚼筋運動ニューロンの形態と著しく異なっていた。すなわち舌下神経運動ニューロンの樹状突起は咀嚼筋運動ニューロンのそれにくらべ、はるかに大きな複雑性を示した。舌つきだし筋と舌ひっこめ筋では形態の差異は予想よりも小さかった。しかし、舌下神経運動ニューロンの形態の複雑性はばらつきが大きく、その複雑性は電気生理学的特性を反映した。現在、舌下神経運動ニューロンの形態の三次元的パラメータを調べているが、咀嚼筋運動ニューロン、脊髄運動ニューロンとは大きく異なった値を示すものになるであろう。舌下神経運動ニューロンの形態は、in vitroのものは報告されているがin vivoのものはない。さらに、舌つきだし筋と舌ひっこめ筋を別々に同定し、それらの形態的機能的差異を調べたものはない。また、個々の舌下神経運動ニューロンの形態が、その電気生理学的特性を反映したことは、舌下神経運動ニューロンが複雑な神経機構により支配されていることを示唆している。我々はこれまでに顎運動を支配している咀嚼筋運動ニューロンの生理学的特性と形態との関連を明らかにしている。本研究のデータをさらに重ねることで、それらと舌下神経運動ニューロンより得られる結果と比較検討することは、舌運動の神経機構を解明する上で大変重要である。
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