1996 Fiscal Year Annual Research Report
X染色体遺伝子多型を用いた歯原性腫瘍・唾液腺腫瘍のclonalityの検討
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07671969
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福田 康夫 大阪大学, 歯学部・附属病院, 助手 (20238489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸野 万伸 大阪大学, 歯学部・附属病院, 医員
石田 武 大阪大学, 歯学部・附属病院, 助教授 (50028768)
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Keywords | アンドロジェンレセプター / PCR / クロナリティー / 歯原性腫瘍 |
Research Abstract |
Ameloblstomaは歯原性腫瘍で最も発生頻度の高いもので、良性腫瘍に分類されている。しかしながら局所ではdestructiveな増殖を示し、極めて稀であるが転移を来すこともあり、必ずしも良性とは言い切れない性格を有している。 X染色体上に存在するアンドロジェンレセプター遺伝子のエキソン1には、同一3塩基が複数回出現する部位が存在し、このリピートの回数は高度に多型的であることが知られている。9割以上の女性で二つあるX染色体上のアンドロジェンレセプター遺伝子がヘテロである。今回の研究の目的はこの遺伝子に多型を有する女性患者の腫瘍組織を用いてameloblastomaがclonalな増殖か否かを検討することである。 女性に生じたameloblastoma9例(いずれもfollicular type)のパラフィン切片から腫瘍実質を切出し、Protenase-K消化によりDNAを抽出してアンドロジェンレセプター遺伝子エキソン1の多型部位を含む部分をPCR増幅した。PCR産物をポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、銀染色によりバンドを得た。9例中6例の正常組織で2本のバンドが得られ、多型の存在を確認した。さらに抽出したDNAをHpaIIで消化後、同様に泳動パターンを検索した所、6例全てに2本のバンドが得られ、今回の検索においてはameloblastomaはpolyclonalな病変であると判定された。 さらに症例を増やして検討するには、間質細胞の混入を避け腫瘍細胞のみを単離する方法の開発が必要と思われた。またclonalityの判定を困難にする非特異的バンドを減少させるために、nested PCRの導入やPCR条件のoptimizationが必要と思われた。
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