1995 Fiscal Year Annual Research Report
培養ヒト破歯細胞内のカテプシンB、Lとコラゲナーゼの局在に関する免疫電顕的研究
Project/Area Number |
07671975
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 輝男 九州大学, 歯学部, 教授 (60077667)
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Keywords | 骨 / 破歯細胞 / カテプシンB / カテプシンL / コラゲナーゼ / ヒト / 微細構造 / 歯根吸収 |
Research Abstract |
残念ながら、ヒト破歯細胞の培養には成功しなかった。それゆえ、培養に関する新所見は得られなかった。他方、これと同時に進行していた抜去乳歯根吸収窩内の破歯細胞カテプシンLに関しては、データーを得ることができた。電子顕微鏡レベルで詳細に観察した結果、破骨細胞と同様に、刷子縁に近接した空胞内と刷子縁に近接した吸収窩に沿ったカテプシンLの免疫反応物が検出された。これらの所見から、破歯細胞も破骨細胞と同様に吸収窩にカテプシンLを分泌して、dentinを分解しているこが示唆された。 ヒト破歯細胞の培養に成功しなかった理由 入手できる乳歯は限られているので、播種する破歯細胞の数も限られ、少なすぎるのが成功しなかった原因の一つと考えられる。播種する破歯細胞の数は増加させることはできず、常にほぼ一定である。 そこで、播種する細胞の内で(破歯細胞の)前駆細胞を分化させ、全体としての成熟破歯細胞の数を増加させることが、このプロジェクトの成功のための重要なポイントと考えられる。そのために、前駆細胞の分化を促進させる薬剤としての、活性型VD_3、PTHやM-CSF(マクロファージ コロニー刺激因子)の種々の濃度を培養液に含有させて、培養の成功を目指し、現在進行中であるが、目指す所見は未だ得られていない。今後も実験継続して行う予定である。 抜去乳歯吸収窩内にカテプシンLの免疫反応物を検出することに成功したが、一方、破歯細胞内の種々の細胞内小器官にの免疫反応物が観察されなかったことから、まだデータ的には不十分である。それゆえ、この破歯細胞の培養実験と並行して、破歯細胞におけるカテプシンLと他のプロテアーゼの分布と局在ついての実験をも、行っていく予定である。
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