1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671978
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 英光 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (70271210)
豊島 邦明 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (10112559)
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Keywords | 顎下腺 / 形態形成 / NGF-R / bcl-2 / 上皮・間葉組織相互作用 |
Research Abstract |
免疫組織化学的検索に用いる抗体や顎下腺原基の摘出の関係で、本研究の実験動物をマウスからラットに変更した. 顎下腺原基を電子顕微鏡を用いて観察すると、導管中心部の細胞の核にクロマチンの凝集が認められ、顎下腺導管の管腔形成時における細胞変性がアポトーシスである可能性が示唆された. ラットの顎下腺原基を免疫組織学的に検索した結果、胎生16日において顎下腺原基の周囲の間葉細胞にNGF-Receptorに対して陽性反応が認められた.しかし、胎生18日の顎下腺原基においては、NGF-Receptorの陽性細胞は導管部周囲の間葉細胞にのみに認められ、腺房部周囲の間葉細胞には認められなかった.このことから顎下腺の形態形成には、NGF等の細胞外因子が重要な働きをしていることが示唆された.さらに、顎下腺周囲の間葉細胞におけるNGF-Receptorの発現の違いから、導管部と腺房部では上皮・間葉組織間の相互作用に差がみられ、特に導管部からの分岐形成に何らかの間葉組織の関与が推測された.また、胎生18日の顎下腺原基上皮の全体にbcl-2に対しての陽性反応が認められた.しかし、成熟ラットの顎下腺においては、bcl-2は線条部導管にのみに認められた.このことから、胎生期におけるbcl-2の発現は上皮・間葉組織間の相互作用に関連して、顎下腺原基上皮の分化・増殖に深く関与していることが推測された。 分離した顎下腺原基上皮に対して無血清培養を試みたが、長期間の培養は困難であった.現在、培地にNGF・HGF等の細胞外因子を添加して、細胞外因子が顎下腺原基上皮の増殖・分化にあたえる影響を検索中である.
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