1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671979
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
武田 正子 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40001953)
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Keywords | 味蕾 / アポトーシス / コルヒチン / 有郭乳頭 / 上皮細胞 / 細胞死 / マウス |
Research Abstract |
昨年度の研究で、支配神経を切断された味蕾細胞はアポトーシスによって死ぬことから、味蕾の支配神経はアポトーシスを抑制する物質を持つことを報告した。今回は微小管の構築、伸長を阻害するコルヒチン投与により、舌上皮、および味蕾の細胞にアポトーシスがおこることを観察した。 dd-マウスに4mg/kgのコルヒチンを腹腔内投与後、15時間から5日目の舌有郭乳頭を摘出し、観察した。アポトーシス細胞を示すTUNEL陽性核は、無処置例では殆んど見られないが、コルヒチン投与後15時間と1日目で、味蕾内と上皮細胞基底層と、そのすぐ上の層に多数出現した。そして3日以降急速に減少した。電顕でも、TUNEL陽性細胞核の出現する部分に一致して核の濃縮像、断片化が認められた。微小管を構成するチュブリンに対する抗体を用いた免疫組織化学では、コルヒチン投与により味蕾および上皮細胞、結合組織の神経線維の反応が減弱した。 以上より、基底層の上皮細胞はコルヒチン投与により微小管が形成出来ず、細胞分裂が前中期で停止しアポトーシスに陥るものと思われる。味蕾細胞は、微小管を多く含むので、その減少により細胞が障害を受けることに加えて。支配神経の軸索の微小管減少によるアポトーシス抑制物質の流入途絶によりアポトーシスに陥るものと推測される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Masako Takeda: "Apoptosis in mouse taste buds after denervation." Cell and Tissue Research. 286・1. 55-62 (1996)
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[Publications] 武田正子: "神経切除後およびコルヒチン投与後の味蕾細胞のアポトーシス" 日本味と勾学会誌. 3・3. 556-559 (1996)
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[Publications] 武田正子: "コルヒチン投与後の有郭乳頭の味蕾細胞と上皮細胞のアポトーシス" 解剖学雑誌. 71・6. 690- (1996)