1995 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックマウスを用いた象牙質形成不全症の解析
Project/Area Number |
07671985
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
四方 英夫 明海大学, 歯学部, 助手 (00170853)
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Keywords | 象牙質形成不全症 / コラーゲン遺伝子 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
部分欠失を有するヒトI型プロコラーゲン遺伝子を導入したトランスジェニクマウス(胎生18日〜生後3カ月齢)の歯胚および切歯について、形態的に観察し、以下の知見を得た。 1、3カ月齢の切歯形態変化を肉眼観察でも認めた。すなわち、トランスジェニックマウスでは、歯冠部エナメル質の破折、歯牙の透過性と色調の変化などが認められた。 2、トランスジェニクマウス歯胚における変化では、著しい象牙芽細胞数の減少とその極性の乱れなどが観察された。象牙前質の形成も減少していた。エナメル芽細胞には、変化を認めなかった。 3、3カ月齢の象牙質では、トランスジェニクマウスには象牙細管の走行が不規則で形成量も減少しており、石灰化障害を示唆する多数の球間象牙質も認められた。これらの所見は、ヒト象牙質形成不全症に類似したものである。象牙質内の成長線に注目すると、層板状の成長線様構造が見られ、正常マウスでは石灰化球状の構造が観察された。これらの所見は、象牙質での石灰化様式が異なっていることを示唆している。すなわち、トランスジェニクマウスでは板状石灰化を主とし、正常マウスでは主に球状石灰化の様式を示唆している。 4、象牙芽細胞の電子顕微鏡観察では、その細胞内には膨化したrERや液胞状のrERが多数出現しており、蛋白の合成・分泌機能が障害を受けていることが示唆された。象牙芽細胞の突起の多くは、退縮を思わせる像を呈し正常群のものとは明らかに異なっていた。さらに、極性の分化した形成期象牙芽細胞の形態に達していないことは、象牙芽細胞への分化そのものが抑制されていると示唆された。
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[Publications] Hideo Shikata: "DNA-based diagnostics in the study of heritable and acquired disorders" Journal of Laboratory and Clinical Medicine. 125. 421-432 (1995)
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[Publications] Kazushi Imai: "Degradation of vitronectin by matrix metalloproteinases-1,-2,-3,-7 and -9" FEBS Letters. 369. 249-251 (1995)
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[Publications] Hideo Shikata: "Dentinogenesis imperfecta induced in mice by expression of COL1A1 chain with a partial deletion" Matrix Biology. 14. 408- (1994)