1996 Fiscal Year Annual Research Report
顎下腺の自律神経刺激における細胞内pH上昇に及ぼす陽イオンの影響
Project/Area Number |
07672025
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
熱海 智子 明海大学, 歯学部, 助教授 (60049385)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 憲司 明海大学, 歯学部, 講師 (90171157)
|
Keywords | 顎下腺 / 自律神経作動薬 / pH / Ca^<2+> / HSG細胞 / Na^+ / H^+ Exchanger |
Research Abstract |
我々は顎下腺の唾液分泌やイオン輸送機構に関連して,顎下腺細胞のpH上昇に及ぼす陽イオンの影響を検討するための基本的な研究として,自律神経刺激による細胞内pH(pH_i)の上昇についてHSGヒト顎下腺由来細胞とA-431ヒト類表皮癌細胞の比較を行った。すなわち,muscarinic作動薬のcarbacholで刺激した場合,HSG細胞では10^<-2>-10^<-4>Mの範囲で,およびA-431細胞では10^<-4>-10^<-6>Mの範囲でpH_iの上昇が認められた。また,α-aderenergic作動薬のnornepinephirineで刺激した場合,HSG細胞では10^<-5>-10^<-6>Mの範囲,およびA-431細胞では10^<-4>-10^<-7>Mの範囲でpH_iの上昇がみとめられた。この上昇はそれぞれの阻害剤であるatropine (10^<-4>M)またはphentolamine(10^<-4>M)で抑制され,Na^+/H^+ exchangerの阻害剤であるdimetylamiloride(10^<-4>M)でも抑制され,protein kinase C(PKC)の阻害剤であるH-7(10^<-4>M)でも抑制された.また,PKCの活性化剤であるTPAおよびphosphataseの阻害剤であるokadaic acidでpH_iは上昇した.また,上記のpH_i上昇は両細胞において,β-aderenergic作動薬のisoproterenol(10^<-3>-10^<-7>M)では全く認められなかった.これらの結果から,両細胞ともmuscarinicおよびα-adrenergic受容体刺激によりPKCが活性化された結果,Na^+/H^+exchangerが作動し,pH_iの上昇がおこると推定された。しかし,両細胞においてpH_iの上昇に効果ある刺激濃度範囲が異なるので,それらの受容体数等が異なると予想される。
|
Research Products
(1 results)