1996 Fiscal Year Annual Research Report
テトラヒドロプテリンを介したNOとcGMPの産生による破骨細胞内情報伝達系
Project/Area Number |
07672026
|
Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
加藤 節子 明海大学, 歯学部, 教授 (50049376)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 健吾 明海大学, 歯学部, 助手 (90286013)
|
Keywords | 破骨細胞 / 一酸化窒素(NO) / テトラヒドロビオプテリン / cGMP / 細胞内情報伝達 |
Research Abstract |
破骨細胞ではNO生成薬物によって骨吸収活性が低下することが観察されており、破骨作用の制御に対して細胞内の一酸化窒素合成酵素(NOS)が重要な働きをすると考えられる。NOSがL-アルギニンからNOを生産する際には、分子状酸素(O_2)、NADPHの他に補酵素としてテトラヒドロビオプテリン(BH4)が必要である。しかし破骨細胞のBH4合成については従来全く検討されていない。BH4は一般に細胞内濃度がBH4要求酵素のKm値に対して低く、BH4合成系の活性化にNOS(BH4要求酵素)の活性が極度に依存していることが予想されるので、まず破骨細胞のBH4生成能を調べるため細胞内BH4検出を試みた。破骨細胞の培養株は未だ確立されておらず、また破骨細胞のみを分離収得することは極めて困難である。今回既報を参考にして生後10日ウサギ大腿骨骨髄細胞から破骨細胞の分離を試みた。得られた破骨細胞を超音波破砕し、抽出液中のBH4をI_2処理により酸化型ビオプテリン(BP)として、陽イオン交換および陰イオン交換カラムクロマトグラフィーで精製後、HPLC-蛍光検出法で測定した。その結果、破骨細胞は0.05pmole/10^5cellsのBPを含有することが確認された。また細胞抽出液中のNO量をDamiani and Burini's Methodによって測定した結果、5.0pmole/10^5cellsのNOが検出された。さらに骨芽細胞の培養株UMR106およびROS17/2、Saos-2細胞についても上記の測定を試みた。以上のことから破骨細胞は明らかにテトラヒドロビオプテリン生成能を持つことが判明し、細胞内BH4合成によってNOS活性が制御されることが示唆された。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] 加藤節子: "一酸化窒素合成酵素(NOS)のプテリン補酵素結合部位." VITAMINS. 70(7). 345-347 (1996)
-
[Publications] Akira Ota: "Tetrahydrobiopterin biosynthesis enhanced by LPS stimulation in murine neuroblastoma cell line N1E-115." Journal of Neurochemistry. 67(6). 2540-2548 (1996)
-
[Publications] Sumiko Negishi: "Yellow marking and pteridine contents in the integment of albino Armadillium vulgare." Pigment Cell Res.9. 35-41 (1996)
-
[Publications] Kengo Fujimoto: "Modulation of tetrahydrobiopterin generating enzymes by limited proteolysis with CANP." Zoological Science. 13(DEC). 44- (1996)
-
[Publications] 加藤節子: "テトラヒドロビオプテリン生成酵素のCa2+による分解制御." VITAMINS. 70(4). 179- (1996)
-
[Publications] 藤本健吾: "テトラヒドロビオプテリン生成酵素のカルパインによる機能修飾." 生化学. 68(7). 914- (1996)
-
[Publications] 藤本健吾: "Ca2+カルモジュリン依存性プロティンキナーゼ11とCa2+依存性プロテアーゼによるビオプテリン補酵素調節." 歯科基礎医学会誌. 38. 487- (1996)
-
[Publications] 藤本健吾: "ビオプテリン補酵素生成系酵素の遺伝子座." VITAMINS. 71(2). 103-106 (1997)