1997 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト炎症歯肉におけるインターロイキン4の遺伝子発現細胞に関する研究
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07672051
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
永田 健吾 九州大学, 歯学部, 助手 (90189134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶島 浩明 九州大学, 歯学部, 助手 (20214504)
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Keywords | 辺縁性歯周炎 / インターロイキン・4 / CD4陽性T細胞 / 根尖性歯周炎 |
Research Abstract |
前年度は辺縁性歯周炎に類似の根尖性歯周炎に着目し、CD4陽性ヘルパー不細胞が産生するサイトカインのなかでIFN-γとIL-4の免疫染色を行ったところIFN-γ産生細胞は検出できたが、IL-4産生細胞は検出できなかった。 そこで今年度は根尖性歯周炎におけるIFN-γ産生細胞の役割について検討するために、IFN-γ産生細胞とNO合成酵素(iNOS)産生細胞の局在を検索した。同一患者より得られた根尖性歯周炎の病理組織にIFN-γ産生細胞とiNOS産生細胞を検出することができた。iNOS産生細胞はCD68陽性マクロファージだった。 最近、IL-1やTNFがマクロファージのiNOS産生を誘導しさらにIFN-γはその産生を増強することや、一酸化窒素(NO)が高濃度では破骨細胞の活性を抑制し、逆に低濃度では促進するという報告がなされている。以上のことからCD4陽性ヘルパー不細胞が産生するIFN-γは根尖性歯周炎において破骨細胞の活性に関わるメディエーターの一つとして働いている可能性が考えられる。 辺縁性歯周炎と根尖性歯周炎においてはCD4陽性ヘルパーT細胞のサイトカイン産生パターンが異なっているが、いずれの歯周炎においても局所の炎症動態にCD4陽性ヘルパーT細胞が重要であることが示唆された。
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