1996 Fiscal Year Annual Research Report
歯周炎のActive phaseにおけるポケット内細菌の変化について
Project/Area Number |
07672069
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
梅田 誠 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90193937)
|
Keywords | Active phase / 歯周炎急性症状 / Porphyromonas gingivalis / Bacteroides forsythus / 抗生剤の局所投与 / 非放射性DNAプローブ法 |
Research Abstract |
本研究において,歯周炎のActive phaseにおけるポケット内細菌の変化について調べた。 まず,Active phaseの1つと考えられる歯周炎急性症状の細菌学的特徴を明らかにするために,歯周炎急性症状を示す患者と示さない患者の,深い歯周ポケットの細菌叢を細菌培養法によって比較したところ,Porphyromonas gingivalisおよびBacteroides forsythusの総菌数に対して占める割合が,歯周炎急性症状を示す患者の方が有意に高いという結果になった。その結果,歯周炎の急性症状において,P.gingivalisおよびB.forsythusが重要な役割を演じていると思われた。同時に,この2菌種をモニターすることがActive phaseの診断に重要であると思われた。 これら2菌種をモニターするために,臨床ではより簡便で迅速な細菌検査法が求められるが,非放射性DNAプローブ法(Affirm DP^<TM>)を用いて細菌培養法との検出の比較を行ったところ,P.gingivalisおよびB.forsythusに関して非放射性DNAプローブ法が感度,特異性共に優れていたことから,Active phaseの細菌学的診断への応用が期待できる。 抗生剤の局所投与法の効果に関して,歯周炎急性症状を示す部位に対する塩酸ミノサイクリンの局所投与(ペリオクリン^<(K)>)1回で,臨床症状,歯周ポケット深さおよびアタッチメントレベルに関して有意な改善が見られた。さらに,細菌叢の変化については,培養法によりP.gingivalisおよびB.forsythusの総菌数に対して占める割合の有意な減少がみられた。また,1回投与後と3回投与後との比較ではほとんど差が見られなかったことから,1回投与で有効であると考えられた。また,投与終了後4週目で細菌叢の後戻りを示す症例があったことから,抗生剤の局所投与によって症状が改善した時点で,さらにスケーリングやルートプレーニングなどの根面清掃を行った方がよいと思われた。
|
-
[Publications] Makoto Umeda,Yumiko Tominaga et al.: "Microbial flora in the acute phase of periodontitis and the effect of local admininistration of minocycline." J Periodontol. 67. 422-427 (1996)
-
[Publications] 矢野和子,高松伸博他: "非放射性DNAプローブ法(Affirm DP^<(K)>)の歯周病原性細菌の検出能について." 口病誌. 63. 482-488 (1996)