1995 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病罹患歯根面の生物学的活性と新生セメント質形成に関する細胞化学的研究
Project/Area Number |
07672076
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小川 哲次 広島大学, 歯学部・付属病院, 講師 (50112206)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河口 浩之 広島大学, 歯学部, 助手 (10224750)
|
Keywords | 罹患セメント質 / 新生セメント質 / 結合組織性新付着 / 超微形態 / 免疫細胞化学 |
Research Abstract |
本研究では、歯周炎罹患露出セメント質の病的変化と新生セメント質形過程に伴う形態的および細胞化学的特徴について検討した。 1.歯周病罹患歯根面の成立と病態に関する研究 ビ-グル犬切歯部に実験的歯周炎を形成し、露出セメント質の経時的変化を検討した。その結果、露出歯根面の病的変化は、歯周ポケット内に露出する以前にすでに始まっており、露出後、セメント質基質の変性が次第に深部セメント質に及ぶことが明らかとなった。また、病的な変化は、外部性線維性セメント質では比較的表層に限局しているが、重層混合性セメント質ではセメント質小管を通じてセメント-象牙境付近まで達していた。 2.ルートプレーニング処置後の付着構造に関する研究 ビ-グル犬の切歯部を用いて、ルートプレーニング処置における露出セメント質の部分的除去及全部除去の効果について検討し、再生した付着上皮は、露出セメント質の部分除去では全部除去に比べて、発達の悪い上皮付着構造を有していることが明らかとなった。さらに、現在、上皮付着構造の内側基底板について、免疫組織学的に検討している。 3.塩酸処理後の新生セメント質の再生に関する研究 ビ-グル犬の小臼歯部およびラット臼歯部を対象に塩酸および塩酸テトラサイクリン脱灰象牙質面に対する新生セメント質形成過程を検討した。その結果、表層脱灰した象牙質面には新生セメント質が直接形成され、非脱灰面に比べて形成量が多く、形成時期も早いことが示された。また、両者の界面には電子密度の高い層が介在し、免疫細胞化学的に、オステオポンチン及びシアロプロテインを含むことが明らかとなった
|