1995 Fiscal Year Annual Research Report
レジン系歯科材料の重合及び脂質過酸化に及ぼす抗酸化剤の影響
Project/Area Number |
07672106
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
藤沢 盛一郎 明海大学, 歯学部, 教授 (40014162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門磨 義則 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (00092403)
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Keywords | 抗酸化剤 / メチルメタクリレート / 重合禁止 / 脂質過酸化 / 誘導期間 / 初期重合速度 / α-トコフェロール / β-カロチン |
Research Abstract |
α-Tocopherol (α-Toc), β-carotene (β-car)などは生体における主要な抗酸化剤として注目されている。抗酸化剤の生体外での作用を明らかにするため、各種抗酸化剤をメチルメタクリレート(MMA)に添加して、示差走査熱量計中70℃で加熱重合し、重合率一時間曲線から誘導期間、初期重合速度を測定し、重合挙動を解析した。α-Tocは濃度の増加に従って、誘導期間が顕著に増加し、また初期重合速度も大きく減少した。重合禁止剤として知られるフェノール性OH基をもつブチルヒドロキシトルインはα-Tocと同様な重合挙動を示したが作用は前者より大きかった。一方β-carは濃度が増すと重合反応は明らかに抑制された。そして明らかな誘導期間の減少はみられず、初期重合速度のみ、濃度の増加に伴って著しく減少した。レチノールもこれと同じ挙動を示したがβ-carより作用は小さかった。β-carはα-Tocより重合抑制効果が大きかった。フェノール性OH基をもつ連鎖切断型ラジカル捕捉剤(α-Toc)と共役二重結合によるラジカル捕捉剤(β-car)とでBPO-MMA重合に大きな差があることが明らかになった。抗酸化剤の作用をリノール酸メチルの酸化作用で調べる方法があるが、本方法は簡便で正確にラジカル捕捉効果を検討出来ることが分かった。
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[Publications] 藤沢盛一郎: "歯科用接着性モノマーとCa^<2+>相互作用のNMR研究(その2) 5-(N-methacryloylamino salicylic acidについて" 歯科材料器材. 14 speciul issue 25. 42-43 (1995)
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[Publications] 藤沢盛一郎: "歯科用接着性モノマーとCa^<2+>相互作用のNMR研究(その3) 4-METAおよびその関連化合物とCaHPO_4・2H_2Oとの相互作用" 歯科材料器材. 14 special issue 26. 188-189 (1996)
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[Publications] 増田屯: "口腔診断学入門" 医学情報社, 220 (1996)