1996 Fiscal Year Annual Research Report
Tissue Expanderによる口腔粘膜及び骨膜伸展に関する実験的研究
Project/Area Number |
07672156
|
Research Institution | TOKYO MEDICAL AND DENTAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石井 正俊 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70212826)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 雄三 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (50014329)
小野 富昭 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (80014207)
|
Keywords | 組織伸展 / ティシュー・エキスパンダー / 口腔粘膜骨膜 / 顎骨 |
Research Abstract |
口腔粘膜および骨膜の伸展を図るため、Tissue Expanderを臨床応用するにあたり、下顎骨および上顎骨へのビ-グル犬挿入モデルを作成し、その伸展速度、サイズ、形状についての検討を行い、粘膜及び骨膜の伸展度、さらに伸展による骨膜の変化、近接する骨質自体への影響について肉眼的、組織学的観察を行った。 1.Tissue Expanderの顎骨挿入モデルの作成;下顎骨挿入モデルは、当初、10ccのレクタングルタイプのものを用い、頬側下顎骨体部にポケットを作成し、10ccの生食を4日おきに2.5ccずつ注入していったところ、粘膜骨膜に過度の緊張を引き起こし、粘膜の壊死を引き起こした。そこで注入の方法を変更し、7日おきに2ccずつ注入し、6ccの注入に止めたところ、感染や粘膜の壊死も起こらず良好な伸展が見られた(モデルA)。また、同時に2.5ccのラウンドタイプのものを挿入し、即時に2.5ccの生食を注入した(モデルB)。上顎骨挿入モデルは2ccのラウンドタイプのものを口唇粘膜より挿入し、頬側上顎骨体部にポケットを作成し、即時に2ccの生食を注入した(モデルC)。 2.粘膜骨膜の伸展度;上顎下顎すべてのモデルで付着歯肉の伸展がわずかに認められた。骨膜については良好な伸展が認められ、モデルAでは最大部で約2.5倍、モデルB、Cでは約2倍の伸展が認められた。 3.骨への影響;モデルAでは3週に渡り注入を行ったが、近接する下顎骨に僅かな圧迫吸収が認められた。モデルB、Cでは注入して直後に屠殺したため、骨への影響はなかった。 4.組織学的観察;モデルAにおいてはTissue Expander周辺部は肥厚した線維性の被膜を形成し、骨膜様の所見は認められなかった。モデルB、Cでは即時注入のためこのような変化は見られなかった。
|