1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07672168
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
澁谷 徹 大阪大学, 歯学部, 講師 (30206148)
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Keywords | 頭位回旋 / 声帯 / 気管内チューブ / MRI / 形態的変化 |
Research Abstract |
気管内挿管を行った状態で頭位を回旋させたときに、気管内チューブが声帯に対してどのような影響を及ぼすかを検討した。体重10〜15Kgの雑種成犬を用い、全身麻酔下に気管内挿管を行った。MRIを基に作製したヒトの気道の実物大模型に気管内チューブを挿管したときに得られた最も高い圧(50mmHg)と、その1/2で毛細血管平均圧に相当する圧(25mmHg)で気管内チューブを片側の声門に圧迫し、声門部の粘膜の肉眼的変化および微細的変化を走査型電子顕微鏡で観察した。その結果、肉眼的には25mmHgの圧では6時間後に、50mmHgの圧では2時間後に披裂軟骨声帯突起部に粘膜の発赤が認められた。声帯粘膜には肉眼的変化はみられなかった。一方、走査型電子顕微鏡で観察した喉頭の微細的変化は、25mmHgの圧での圧迫の1時間後より観察され、披裂軟骨声帯突起部では繊毛の配列不正、消失、融合、粘液の産生がみられた。また、声帯粘膜においては、2時間後よりMicroridgeの消失、変形、配列不正、重層扁平上皮細胞の剥離が認められた。以上のことから、肉眼的変化が生じるよりも小さい圧で、また短時間の間に微細的変化が発生しており、頭位を回旋するときの気管内チューブの選択には細心の注意を払う必要があることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)