1995 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の放射線治療効果判定に核内DNA分布の示す臨床的有用性に関する研究
Project/Area Number |
07672174
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 浩二 広島大学, 歯学部・付属病院, 講師 (90179747)
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Keywords | 口腔癌 / 放射線治療 / 核内DNA分布 |
Research Abstract |
本研究は,放射線治療を受けた腫瘍と,照射野内の正常細胞における核内DNAの分布状態が,放射線治療の効果判定の指標となるかを検討するものである。 本研究では,核内DNA分布状態の乱れを客観的に評価するためのパラメータとして,独自に考案した「密度得点」を用いている。我々は,本パラメーターが正常細胞,前癌病変,癌細胞の判別に有用であることはすでに報告している。今回,上記の研究で用いた「密度得点」パラメーターの有用性を高めるために,コンピューターを処理能力の高い日本電気製PC-9821Apに変更し本研究に用いている。 放射線照射後の腫瘍細胞の悪性度評価に,本パラメーターは有用であるものの,それ単独では信頼性が低下するため,従来の指標(核DNA量等)も考慮に入れた方が,判定の信頼度が高まると考えている。この結果は,本パラメーターを正常細胞,前癌病変,癌細胞の判別に用いた場合と同様である。 照射野内正常細胞における核DNA分布を見ることにより,照射を受けた患者の放射線感受性が評価しうると考えているが,まだ症例数が少なく結果を発表する段階には至っていない。 また,初期の計画では,未治療例に対する放射線治療効果の判定を目的としたが,現在我々は,殆どの一症例で,Crisplatin,5-FU併用の化学療法を照射に先行して行っているため,これらの症例においても,本パラメーターの有用性について検討している。
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