1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07672186
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Research Institution | TOKYO DENTAL COLLEGE |
Principal Investigator |
高木 多加志 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (90192145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国府田 英俊 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (10271298)
片倉 朗 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (10233743)
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Keywords | 舌扁平上皮癌 / 進展形態 / 舌筋 / 3次元画像 |
Research Abstract |
本研究は、舌癌の切除範囲を設定する際に、その解剖学的特殊性と浸潤様式(悪制度)とを考慮することで、口腔機能を温存した治療の可能性を検討したものである。舌癌の筋層内での浸潤先端の様相と舌筋線維束の走行方向との関係について3次元画像構築システムを用いて検討した。 本年度は、ヒト舌扁平上皮癌をT分類、浸潤様式(山本・小浜の分類)別に分け解析した。切除標本は、健常組織との境界部を含んで前額断方向に5mm幅で切り出し、10%中性緩衝ホルマリン溶液で固定しパラフィン包埋し、約50μm間隔で厚さ4μmの薄切切片を半連続切片として作製し、Hema-toxylin-Eosin染色を施した。標本を拡大率約20倍で紙の上に投影し、腫瘍実質外形と舌筋線維束の輪郭線をTRIペン入力システムでデジタイズしたものを多目的画像処理装置MIPに入力し3次元画像構築を行った。構築した3次元画像上で舌筋層中を縦走する筋線維束及び横走する筋線維束が確認された。筋層中への腫瘍の浸潤が認められ、2型、3型では筋線維束を圧迫するような浸潤が見られ、4C型、4D型では筋線維束の間隙に腫瘍が浸潤するのが見られ、浸潤様式によって筋層中への浸潤形態に違いがあることが確認された。また、腫瘍の浸潤部位中に横走する筋線維束が比較的残存しており、腫瘍の浸潤方向は筋線維束の走行方向と関係していることも明らかになった。すなわち、1)舌癌の舌筋層への進展様式としては、3つのTypeが存在すること。2)舌癌の進展様式と浸潤様式との間に浸潤傾向の高い腫瘍ほど舌筋線維束の間隙に無秩序に進展する傾向があること。3)舌癌の切除範囲を設定する際は、腫瘍の浸潤様式と舌筋の走行方向を考慮した安全域を設定することが重要であること。4)腫瘍の進展形態と内舌筋の走行方向との関連性の検索には、3次元的視覚化手法は腫瘍の進展範囲を予測する方法として有用であること。などの結論を得た。
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