1995 Fiscal Year Annual Research Report
Holmium YAG laserの顎関節鏡視下手術への応用に関する基礎的研究
Project/Area Number |
07672198
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
浅田 洸一 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (00107301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 長隆 鶴見大学, 歯学部, 助手 (80257344)
地挽 雅人 鶴見大学, 歯学部, 助手 (90247338)
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Keywords | Holumium YAG laser / 顎関節鏡視下手術 / 動物実験 |
Research Abstract |
実験1)日本白色家兎の膝関節を用い、生理食塩水にて約0.5ml/secの灌流下に、0.5〜1.0J/pulses、5〜10pulses/secの出力条件で膝関節構成体に対し各1秒接触照射し関節腔内の温度変化を測定した。照射出力に比例して関節腔内温度は上昇したが、0.5J/5pulsesではほとんど上昇を認めなかったことから、日本白色家兎の膝関節とほぼ同程度の大きさであるヒト顎関節上腔内で同レーザーを用いても、0.5J/5pulses程度では照射部から離れた部位におけ同レーザー照射に伴う熱の影響はほとんどないものと思われた。 実験2)日本白色家兎の膝関節を開放し、生理食塩水による注水下に、半月板、関節軟骨に対し0.5〜1.0J/pulses、5〜10pulses/secの出力条件で各1秒接触照射し、経時的に屠殺、照射部を摘出し、ヘマトキシリン・エオジン染色を行い、組織学的に検討した。照射直後の組織欠損深さは照射出力に比例して組織欠損深さは増大し、同レーザーは照射条件を変えることにより関節構成組織に対する損傷範囲をコントロールすることが出来ると思われた。また、0.5J/5pulsesで照射した際の組織損傷範囲は半月板では約0.75mm、関節軟骨では約0.4mmに及んだことから線維性病変の除去を目的とした顎関節鏡視下手術に同レーザーを応用する際には、関節円板や中頭蓋窩穿孔の危険性を避ける観点から0.5J/5pulses程度の照射出力が望ましいと思われた。同レーザー照射部の創傷治癒は半月板では滑膜側からの細胞移動によりおこり、12週目では組織欠損部は消失したが、創底部には変性組織が残存した。関節軟骨では軟骨膜または骨組織より間葉系細胞の増殖が起こり、12週目では軟骨細胞の再生を認めた。
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