1995 Fiscal Year Annual Research Report
テレメータセンサを用いた開咬症患者の長時間頭位・舌接触パターンデータベースの構築
Project/Area Number |
07672207
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河内 満彦 東北大学, 歯学部, 助手 (30195044)
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Keywords | 無線 / テレメータ / デントパラトグラフィ / アナログ傾斜計 / 舌接触パターン / 頭位 / 開咬症 / データベース |
Research Abstract |
【目的】咬合や歯列形態の維持安定には種々の因子が関連しており、その中でも舌の動態は重要な要素の一つである。特に開咬性患者においては、その重要性が指摘されているにもかかわらず観測システムが煩雑であるため、十分な研究が行われていない。また、過去に行われた研究でも検査室内で意識的に発音、嚥下などの随意運動を短時間だけ評価したものがほとんどであった。本研究では活動時における舌運動の様相と頭位をできるだけ自然な状態で長時間観測するため、デントパラトグラフィとアナログ傾斜計を用いた無線テレメータシステムを開発し、これを用いて正常咬合者と開咬症患者の舌接触パターンおよびそれに影響を及ぼすと考えられる頭部の傾斜度について検討を加えることを目的とした。 【資料および方法】正常咬合者群24名と外科矯正治療の適用が決定している開咬症患者群14名に対し、本テレメータシステムを用いて座位での読書や歩行時における舌位および頭位の観測を行った。舌の接触点数は上顎前歯部,上顎歯列部,口蓋部,上顎全体,下顎前歯部,下顎全体,上下顎前歯部、上下顎全体の各部位毎に、また頭部の傾斜度は矢状面、前頭面的に両群間の比較を行い、さらに接触点数と頭位の相関性を評価した。 【結果】(1)開咬症患者群は正常咬合者群に比べ舌の接触点数が多かった。特に、座位での読書時においては口蓋部,上顎全体,下顎前歯部,下顎全体,上下顎前歯部、上下顎全体が,歩行時では下顎前歯部,下顎全体,上下顎前歯部、上下顎全体での接触点数が有意に多かった。(p<0.05)(2)両群間で頭部の傾斜度に差異は認められなかった。(3)矢状面における舌の接触点数と頭部の傾斜度との相関性では、相関係数は低いが有意性が認められた。(p<0.01) 【結論】咬合形態の違いにより舌の接触様相に差異を示すことが明らかとなった。また、矢状面における頭位には関連のあることが示唆された。今後、術後資料を採得する。
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